鈴木祥子【ライブレビュー】2008年9月21日 20th anniversary LIVE ”SWEET SERENITY@ＣＣレモンホール

ある日、夕刊を読んでいたら鈴木祥子がデビュー20周年だと言う記事が載っていた。
そしてライブをＣＣレモンホールで開催するとも書いてあったので急に行きたくなった。
直前にもかかわらず2階席だがチケットが取れたので思い付きで行ってみることにした。

デビュー20周年を総括する3時間

前日まで特に気持ちの盛り上がりもなくライブ当日を迎えたがそれも仕方ない。
鈴木祥子が最近テレビに出演しているのは見たことがないし、顔だってジャケットの写真くらいでしか見たことがない。

そして私小説的な恋愛ネタの歌詞は正直苦手だ。

にもかかわらず鈴木祥子の20年の長いキャリア中で発表したアルバムの３分の２以上は持っているのだから一応ファンと言えるだろう。

ただ今まであまり自分が鈴木祥子ファンだと自覚した事はなかったし、ライブに行きたいとも思わなかったが、まあとにかく鈴木祥子のアルバムはハズレがないし曲がいいのだ。

それとアルバムの収録曲が常に今時10曲前後で「アルバム全体のクオリティを落とすくらいなら曲数は少ないてもいいじゃ！」的な潔さも好きだ。

それでも鈴木祥子の作品は好きだったけど鈴木祥子本人にはあまり興味がなかった。

会場まで迷ってたらすでに開演していた

今回初めて鈴木祥子のライブチケットを取って向かう公演場所はCCレモンホール。
実は旧名渋谷公会堂時代から１度も行った事がなかった。

まあ徒歩10分らしいし言ってみりゃわかるだろうと思っていたら甘かった！
だって坂の上に会場があってとても10分じゃ着かない距離だったし場所が第一わかりにくかったので２回も道聞いちゃったよ。

せめて消防署の角を曲がる所にはなんらかなの表示があってもいいじゃ？なんて思って会場に着いたら、もうライブ始まってるじゃん！

ピアノ弾き語りからバンド演奏、キャリアを総括する選曲

何曲目かわからないが、ピアノの弾き語りをしていた。どうやら後で知れべてみるとオープニング曲の『夏はどこへ行った』の途中だったようだ。
2曲目、え？もう代表曲の『優しい雨』やっちゃうの？

それにしても生で聴くとやっぱり歌うまいなぁ。
鈴木祥子がこれほどうまいとは思っていなかった。

そしてあの独特の透明感と孤独感と凄みの同居した独特の声を生で聴けた事にもちょっと感動する。

中盤からギタリストをひとり、もうひとりと足していき、人数を増やしてバンド編成になった時のバンドとしてのまとまりと演奏力の高さは見事だった。

この日、観客が一番盛り上がったのが会場にいるほとんど誰もが知っていると思われる代表曲のひとつ『ラジオのように』だった。

ベスト演奏は、鈴木祥子本人が30代最後に書いてこれ以上の曲は作れないと思ったという『忘却』の何かが乗り移ったかのような情念を感じさせるピアノ演奏と歌だった。

アンコールはたっぷりと6曲、特にラストの『Angel』は、ピアノで弾き殴るとような迫力のある演奏で観客を圧倒していた。

総評

ちょうどこの日でデビュー20周年との事でニューアルバムから選曲を中心としながらキャリアを総括するような過去の曲からもまんべんなく選曲されていた。

アルバムは短めにさっさと切り上げてしまう鈴木祥子だが、この日のライブはアンコールを含めたっぷりと約3時間の公演だった。

しかし鈴木祥子という希有の才能を持ったシンガーソングライターのデビュー20周年のメモリアルでも会場の客入りは2階席に関しては前列のみでほぼガラガラとはかなりさびしい客入りだった。

『恋のショットガン』とか『たしかめていてよ』とか他にも聴きたい曲はたくさんあったけど今回のライブ一言で言うと来るチャンスがあったのに来なかった人残念でした！
そんな感じだった。