デヴィッド・ボウイ/トゥナイト(David Bowie/Tonight)

2019年10月20日

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レッツ・ダンスの大ヒットをから1年後に発表されたアルバム『トゥナイト』のアルバムの大半がカバー曲を占める内容に当時の多くのファンは失望し、これでボウイは終わった・・と感じたらしい?

1. ラヴィング・ジ・エイリアン
2. ドント・ルック・ダウン
3. 神のみぞ知る
4. トゥナイト
5. ネイバーフッド・スレット
6. ブルー・ジーン
7. タンブル・アンド・トゥワール
8. アイ・キープ・フォーゲッティン
9. ダンシング・ウィズ・ザ・ビッグ・ボーイズ

従来のファンには賛否両論だったレッツ・ダンスだが、変化を好むボウイが同じ系統のアルバムを続けるわけがないと言うファンの期待もあったに違いない。

しかし発表された次のアルバムである『トゥナイト』は明らかに前作の流れを引き継いで薄めたような内容だった。

これによって多くのボウイファンはボウイに初めて「裏切られた」と感じたとしても不思議ではない。

多忙によりワールドツアー中の曲作りが、出来なかったボウイは、イギー・ポップと共作した曲、ビーチ・ボーイズの『神のみぞ知る』などのお気に入りの曲のカバーをアルバムに入れる事にした。

そうしないとアルバムの曲が埋まらないからだったからだが、イギー・ポップの作曲した曲が多いのは当時困窮していた彼に印税を渡すためだったからなんて噂もあったほどだった。
 
オープニングの『ラヴィング・ジ・エイリアン』(PVで鼻血出してるのはなぜ?)ではボウイらしいミステリアスな曲で「おおっ!」と期待感が高まるが、ビーチ・ボーイズのカバー、『ゴッド・オンリー・ノウズ(神のみぞ知る)』、ティナ・ターナーとのデュエットしたテーマ曲『トゥナイト』などがびっくりするほどあっさりとBGMとして耳をすり抜けてしまう。

スケアリー・モンスターズまでのBGMになるのを拒むようないびつで魅力的なボウイの楽曲の中にあったアーティスティックな姿勢は感じられずむしろ積極的にBGMになろうとしているようにさえ思える。

『ラヴィング・ジ・エイリアン』を除くトゥナイトの収録曲の中で唯一の救いはシングルになった『ブルー・ジーン』しかなかった。

ドラマ仕立ての長編PV(80年代半ばはMTVブームでこの手のPVが流行っていた)ではボウイ自身がジギー・スターダストをイメージさせるロックスターとなんとさえない高校生役!(無理ありすぎだってば)2役を演じた。

アルバムのプロデューサーは、ヒュー・パジャムとヒートウェイヴのデレク・ブランブルの2人。

ボウイと相性が良くなかったブランブルは、途中退場してしまい、残りはパジャムがやる事になった。

後にパジャムはこう語っている。

「よく練られていないアルバムだった」。
「もし僕が最初からプロデュースしていたら、もっと良いものになっていたでしょう。デヴィッドが完成させなかった曲もあったのですが、アルバムに収録された曲よりも、よっぽど良いものだと感じていました」

レッツ・ダンスには、ナイル・ロジャースという強力なサウンドのリーダーがいたが、『トゥナイト』にはその役割を果たす人物はいなかった。

それがアルバム全体の中途半端さを印象付ける形になってしまっている。

『ブルー・ジーン』のPVはボウイを代表する映像作品になってアルバム、『トゥナイト』はついに全米1位になった。

しかし、その反面このアルバムでは失うものが多すぎたかもしれない。


iTunes試聴&ダウンロード
Tonight (2018 Remaster)
デヴィッド・ボウイ

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