チェンジスボウイ(Chenges Bowie)

David Bowie

90年のサウンド+ヴィジョンツアーの直前に発表されたデヴィッド・ボウイのベスト盤。

CDとしては初のベストアルバムで『チェンジスボウイ』のタイトルどおり変貌するボウイの音楽性がよく分かる1枚。

  1. スペイス・オディティ
  2. ジョン、アイム・オンリー・ダンシング
  3. チェンジス
  4. ジギー・スターダスト
  5. サフラゲット・シティ
  6. ジーン・ジニー
  7. ダイアモンドの犬
  8. 愛しき反抗
  9. ヤング・アメリカン
  10. フェイム ’90
  11. ゴールデン・イヤーズ
  12. ヒーローズ
  13. アッシェズ・トゥ・アッシェズ
  14. ファッション
  15. レッツ・ダンス
  16. チャイナ・ガール
  17. モダン・ラヴ
  18. ブルー・ジーン
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90年までのざっくりベスト盤

収録曲はほぼ年代順に並んでおり、90年までの代表曲は大雑把とはいえほぼ収録されている。
90年代以降のボウイは、アルバムのヒットはあってもシングルの大きなヒットはなかったから、代表曲を聴きたいだけならこれで充分かも知れない。
とは言え、あくまでもザックリだからリスナーがこの急激な音楽性の変化の流れについていけるかどうか。

初のCD化でリマスターを担当したのはRAIKO(ライコウ) というメーカーだった。
音が丸くアナログ的で現在のミックスとも2000年代のミックスとも違うので90年ミックスの曲をまとめて聴きたいファンにも良いかも知れない。

タイトル曲であるチェンジス

奇妙なものに目を向けて変化を恐れるなというテーマのこの曲は、まさにボウイ自身のテーマソングと呼ぶに相応しい。
ジャジーでポップでありながら、大げさで奇妙なイントロと唐突な転調がアクセントになっている名曲。

日本では2006年にサンヨーエネループのCMソングとして起用されていた。

他のアルバムに収録していない唯一の曲

唯一の新録音曲が『フェイム ’90(Fame 90)』、この曲は他のベストアルバムにも収録されていないレアな曲となっている。
この曲をあえてレコーディングしたのは当時のボウイの自信のなさの表れではないだろうか。

当時のボウイは、キャリア最大の低迷期であり、リハビリ・バンドのティン・マシーンを結成していた時期でもある。

完全にソロ・アーティストとして自信を失っていたように思えたこの時期だからこそ全米NO1ヒットになったこの曲の焼き直しが必要だったとしか思えない。
しかも当時の流行を取り入れたミックスがやたらとダサい。

しかし、90年のツアーでは、この曲はスリリングでカッコ良いアレンジになってブラッシュアップされていた。
このあたり、やはりボウイはライブでより輝くアーティストなんだなと実感できる。

90年盤ミックスを聴く以外には基本必要なし

ボウイ本人もコメントしていたとおり、シングルヒットを狙うタイプでなく、アルバムで勝負するタイプのアーティスト。
続けて聴くとどうにも落ち着きがなくとっちらかって聴こえる感は否めない。

ベスト盤だから仕方ないとは言え、やっぱりボウイはベスト盤で聴くタイプのアーティストではないとあらためて感じた。

また、内容的にもごく普通にアルバムから切り取った曲ばかりでレアなバージョン違いとかもなく、90年までの楽曲しか収録されていないので今更聴く必要があるのは90年盤ミックスを聴きたい場合か、『フェイム ’90』目当てか、ボウイ初心者が90年以前の代表曲を知りたい場合に限られそうだ。

とは言え、全18曲シングル曲ばかりで80年代までの黄金期ヒット曲を集めているので意外と最近のベストよりもボウイ初心者にはおすすめかも?

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