スパークスが来日してライブをする!
この事実をYahoo!のニュースで知った時、なんだかワクワクした。
会場は渋谷O-EAST?
行ったことないなと思いながら住所を調べると渋谷円山町・・・
なーんだ以前オンエア・イーストって呼んでいたところね。
いつの間に省略したんだか。
それなら昔しょっちゅう行っていたライブハウスだ。
ちなみに前回のスパークスの来日はまったく知らずに過ぎ去ってしまった。
知ってたら行ったのに。
スパークスと言ったら30年以上の長いキャリアを持ち「キモノ・マイ・ハウス」という超名盤を生んだ伝説的バンドなのにこんな小さなハコでライブを観れる機会が来るとは夢にも思わなかった。
しかも!この日のライブはキモノ・マイ・ハウスの楽曲を中心に行うというコンセプトで自然とテンションも高まりつつも一抹の不安も拭い去れなかった。
何しろ大ベテランバンド。
とくにラッセルの超高音ヴォイスがいまだに維持できているとはちょっと思えない。
「がっかりする結果になるかも知れない」
そんな覚悟もありつつ会場の渋谷O-EASTへ。
いざ会場入り!
以前はタバコの煙モクモクだったのに全面禁煙になっているのは時代の流れを感じる。
うん良い事だ。
客層は思ったより若者が多い。
3/1くらいは20代だったんじゃないかと思う。
入り口でドリンク代500円を取られる。
第1部
トイレへ行ったらドリンクチケットがどこにあるか分からなくなって探していたらステージが始まってしまった。
1曲目から総立ち。
大丈夫か!?リアルタイムで聴いた50代のファン・・・なんかちょっと気の毒。
女性ダンサー5人が真ん中の寝台?みたいなのを囲んだかと思ったらそこからロンが登場。その後に元気に飛び跳ねながらラッセルも登場。
カタカナで「スパークス」と書かれたTシャツを着たほかのバンドメンバーの周りに額縁みたいなのがあってぴったり収まっている。
まるで「そっから出る必要ないからね」と言われているみたい。
実際メイル兄弟だけがステージにいるだけで存在感ありありで他のメンバーは控えめなほうが引き立つようだ。
飛んだ目つきでキーボードをたたくチョビヒゲの兄ロン、腰をくねらせながら軽快にハイトーン唄う弟ラッセル。
うあぁー本物のスパークスだー!!
1曲目を聴いた瞬間、不安はすべて吹っ飛んだ。
スパークスは現役のロックン・ロール・バンドだった。
前半の曲はどうやら新作かららしく知らない曲ばかりだけどそんな事は関係なかった。
楽曲そのものの完成度が非常に高く、ラッセルの声量も申し分なかったし、バンドメンバーの演奏も息のあった勢いのあるロックサウンドだった。
メンバーは一度ステージからはける。
どうやら2部構成になっているようで、つーことはこれからがいよいよキモノ・マイ・ハウスをやるわけか!
セットリスト
- Good Morning
- Strange Animal
- I Can’t Believe That You Would Fall For All The Crap In This Song
- Let The Monkey Drive
- I’ve Never Been High
- (She Got Me) Pregnant
- Lighten Up, Morrissey
- This Is The Renaissance
- The Director Never Yelled “Cut”
- Photoshop
- Likeable
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第2部
ステージの幕が開きスパークスのメンバーが再登場する。
前半にあった額縁はなくオーソドックスなバンドポジションだ。
『ディス・タウン』のイントロが流れる。
アレンジはほぼそのままでキーも変わらない。
メンバーも客も異常にテンションが高い。
あっと言う間に終わる。
次は『アマチュア・アワー』
この曲はスパークスの楽曲の中でもキーが高いにもかかわらずまったくCDと変わらない歌いかたをするラッセルにプロの意地とプライドを感じる。
でも間奏で転調してさらに1音上がるところはさすがに苦しそう。
前半は曲終りにもほとんどドリンクを取らなかったラッセルも曲の間奏中に飲んでいる。
やっぱり『キモノ・マイ・ハウス』というモンスターアルバムに詰まっているテンションを再現するにも最高にテンションを上げないといけないらしい。
3曲目、『自分に恋して』
ん?ここまではアルバムの収録どおりに演奏している。
もしかして『キモノ・マイ・ハウス』のアルバム全曲やっちゃう!?
4曲目『ヒア・イン・ヘヴン』
やっぱりだ!まさかアルバム全曲やってくれるとは。
それにしても名曲の数々を聴いても感慨深くも感傷的にもならない。
それはノリがいい曲ばかりだからってのもあるけど、全然スパークスに過去のバンド感がないのだ。
単純にいい曲、いい演奏、楽しい瞬間。
それが続いた。
アルバム、『キモノ・マイ・ハウス』の再現どころかそれ以上のテンションとスピード感、アレンジの完成度を持って観客を完全に魅了していた。
特にアルバム後半の『タレント・イズ・アン・アセット』『コンプレインツ』『イン・マイ・ファミリー』までのノリノリナンバーでは、ベテランバンドの余裕を持った演奏ではなく、いわゆる若手ビート系バンドの縦ノリに近い感じなのに演奏テクニックもすばらしいので非の打ち所がない。
最後の『赤道』では客席とのコーラスの掛け合いではラッセルが楽しくていつまでも止めたくないように思えるほど延々と続く。
セットリスト
- This Town Ain’t Big Enough for Both of Us
- Amateur Hour
- Falling in Love with Myself Again
- Here in Heaven
- Thank God It’s Not Christmas
- Hasta Manana, Monsieur
- Talent Is an Asset
- Complaints
- In My Family
- Equator encore Propaganda
- At Home at Work at Play
- B.C.
- Suburban Homeboy
アンコール+まとめ
個人的にはこれで終わっても十分に満足だったが、しっかりアンコールもあった。
『キモノ・マイ・ハウス』の後にリリースされたアルバム、『プロパガンダ』から2曲を含め3曲。
合計約2時間半のスパークスショー!
なんてサービス精神旺盛なバンドなんだ!
スパークスはまさしく現役のロックンロールバンドだった。
しかも今何度目かの絶頂期にあるように思える。
よくスパークスは変態兄弟だと言われるが実際に見たスパークスは超人兄弟だった。
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