山中千尋【ライブレビュー】2007年12月8日@東京芸術劇場中ホール

ライブレビュー

ライブの行われる3週間前までは、山中千尋というジャズ・ピアニストがいる事すら知らなかったが、先日テレビ神奈川でのライブ映像を観て「これはスゴイ才能の持ち主だ!」と直感してチケットを探したら、たまたま直近の公演チケットが取れたのでCDを1枚も聴いた事がない状態でライブ会場へ行ってみた。

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思い付きで言ったジャズライブ

歌モノの場合、1枚もCDアルバムを聴いた事がなくてライブに行くのは、かなりツライ事だが、インストのジャズだったら何となく大丈夫だろうってのもあったし、何よりもあのアグレッシブな山中千尋のプレイを生でどうしても聴きたい衝動にかられたのだった。

ライブ会場は池袋にある「東京芸術劇場」。
うわー行った事ねーよ!

それに池袋自体がほとんど行かないので全く土地勘がない。
会場案内に南口で降りますって書いてあったけど、いつもどおりロクに調べもせずにテキトーに降りたら南口の表示自体がなかったけどもしかしてアレが南口?

B2の出口を出たらすぐらしかったけどまたしても表示がなくわからないので「メトロポリタン方面」とか「南口」とか書いてあるほう(どっちなんだ?)から外へ出た。

なんか池袋駅って地下迷宮みたいでわかりにくいぞ。
でも駅を出たら会場はすぐそこだった。なーんだ近いのね。

会場内に入ったけど、まだ時間があるのでトイレに行くと数人のファンらしきアキバ系の方々がいた。
あれ?ジャズのファン層ってこんな感じでしたっけ?

席は2回だったが客席が半円状になっているため比較的に近くに感じる。
1階席の一番後ろに比べたらむしろ見やすいのではないか。

客層は見事にバラバラだが、私同様におひとり様率が高くカップル率はかなり低かったようだ。

山中千尋は、いわゆる美人ジャズ・ピアニストとして知られているらしいが、本人はそんな自覚はないのか、客席の正面にろくに顔を見せぬままフラっと席に付きおもぬろにピアノを弾き出した。

バンドメンバーはテレビ出演時の女性トリオではなく黒人男性2人の構成で、この2人とも素晴らしい腕前だった。

以前大西順子のライブに行った時は日本人トリオだったが、その時とは明らかにリズムの「ノリ」がちがうと感じた。

別にどっちがいいと言うのではないけどやはりジャズのルーツは黒人音楽なんだなと実感した。

前半はパワフルなドラムの音に山中千尋のピアノの音がかき消され気味だったのがやや残念だった。(途中から修正したっぽい)

どうやらMCは苦手らしく、ほとんどトークを挟まずに次の曲に行きたいタイプのようだ。
その声は小さく部分的に聞き取れない箇所もあった。

『イパネマの娘』のフリー・ジャズ的な新解釈はプログレのようでもあり、ロックファンにも聞き応え十分、アンコールでの『八木節』でのアドリブは凄まじい演奏だった。

これで終わりだと思ってたら最後はジャズのド定番『枯葉』が聴けたのはうれしいサプライズだった。

ライブ総評

それぞれの演奏曲に関しては、普段ジャズはあまり聴かないし、ほとんど知識がないので解説はできないが、実際に演奏を聴いてみて山中千尋が優れたジャズ・ピアニストであるのは間違いないというのはよーくわかった。

ただ気になったのは、一心不乱にひたすら演奏するスタイルは2~300人クラスのライブハウスならそれだけで十分だが、これだけの規模のホールになると観客との掛け合いなり、客席のほうに目線を合わせて演奏するなどのショー的要素も必要だとステージから遠く離れた2階席から観ていた観客の1人として感じた。

アンコールでめずらしく観客の方を向いた時の客席の反応の良さが実に印象的だった。

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