ロキシーミュージック脱退後に発表されたブライアン・イーノの3枚目ソロアルバム。
ポップだった前2作に比べて抽象的で実験的な作風になったのは、アルバム製作時に交通事故にあった事による影響だと言われている。
- スカイ・ソー
- オーヴァー・ファイアー・アイランド
- セント・エルモス・ファイアー
- イン・ダーク・トゥリーズ
- ザ・ビッグ・シップ
- アイル・カム・ランニング
- アナザー・グリーン・ワールド
- サムバー・レプテイルズ
- リトル・フィッシュズ
- ゴールデン・アワーズ
- ビカームド
- サビヌル / ラーヴァ
- エヴリシング・メージズ・ウィズ・ザ・ナイト
- スピリッツ・ドリフティング
イーノの初期代表作
『アナザー・グリーン・ワールド』は、それまで発表されたブライアン・イーノのアルバムと比べてもかなり実験的でありながら、全体の印象は結構ポップというとんでもないアルバムだ。
冒頭の『スカイ・ソー』から終始鳴り続ける金属音、好き勝手にうねるベース、抑揚のない機械的なヴォーカルの声など、一応ポップアルバムとして起承転結のあった前2作のアルバムとの違いは明らかだった。
タイトル曲、『アナザー・グリーン・ワールド』なんかはなんとなく雰囲気が坂本龍一作曲の『戦場のメリークリスマス』のアイディアの元になったのでは?と思えてくる。
ブライアン・イーノの数多い作品群の中には眠くなるような作品もあるけどアナザー・グリーン・ワールドは何度聴いても飽きないし何度聴いても新鮮さがある。
このアルバムによって坂本龍一、デヴィッド・ボウイなど同世代のアーティストに与えた影響もとても大きく衝撃的なものだった。
他の誰が真似をしようとしても出来ない、いやイーノ自身ももう一度こんな作品を創りたくても出来ない、偶然から生まれた傑作であり現在では70年代ロックを代表するの名盤アルバム。
2004年リマスター盤
やっぱりリマスターって言葉を聴くとどんな感じかなーと思ってまた買ってしまうのがファン心理と言うもの。
この2004年リマスターには、元々シンセサイザーが主体のデジタルなサウンドなのでリマスターすると結構いい感じになるかも!?期待もあった。
最近の紙ジャケのバカ高いリマスターには興味がないけど今回のは期間限定でプラケース入りの1500円だったのでよし買った!みたいな感じで購入。
ワクワクしながら再生してみると1曲目はあんまり違いがわからない。
でもこんな事はよくある。
あれ?2曲目も違いがわからない。
そして最後まで聴いてどこが良くなったのかはわからなかった。
ロキシーミュージック一派のCDはあの時代としては最初の録音時点から、かなり音質はいいほうだと思う。
だからリマスター前の音で聴いても音のしょぼさや古さは感じなかった。
でもリマスターしたらちょっとは音が良くなっていると期待するでしょーが!
実際に90年代のCDと1曲目のスカイ・ソーを聴き比べてみたけどドラムの音がやや補正されたかな?位でほとんど分からない程度。
どっちかと言うと音が硬いリマスター盤よりアナログ的なやわらかなサウンドが残っている90年代盤の方が好みだった。
このアナザー・グリーン・ワールドは確かにシンセサイザーが中心なんだけど各楽器パートはそれぞれ人間のプレイヤー(ドラムはフィル・コリンズ!)が演奏しているので変にデジタル化しすぎると人間味がなくなるし第一聴き疲れしてしまうのだ。
そんな訳でこれからも今まで聴いてきたリマスターする前のCDを聴くことにしたのだった。
だからと言ってこのアナザー・グリーン・ワールドの素晴らしさが損なわれる訳じゃないけど本当に仕事してるの?って感じ。
確かに安いので最初にイーノのCDを聴いてみる人にはオススメするけどすでに同じアルバムを持っている人にとってはコレクター以外は必要なしと言っていいと思う。
アナザー・グリーン・ワールド 収録曲の動画
ブライアン・イーノ関連CD/DVD
Sky Saw
The Big Ship
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