B級グラムロックバンドの雄、スレイド(Slade)の72年リリース5枚目のアルバム。
最高傑作の呼び声も高い全英1位を獲得した代表作。
- How Dâ’you Ride
- Whole Worldâ’s Goinâ’ Crazee
- Look at Last Nite
- I Wonâ’t Let It Â’appen Agen
- Move Over
- Gudbuy Tâ’jane
- Gudbuy Gudbuy
- Mama Weer All Crazee Now
- I Donâ’ Mind
- Let the Good Times Roll/Fee So Fine
- My Life Is Natural (Bonus Track)
- Candidate (Bonus Track)
- Wonderinâ’ y (Bonus Track)
- Man Who Speeks Evil (Bonus Track)
- Slade Talk to Â’melanieâ’ Readers (Bonus Track)
日本では無名に近いがグラムロックの名盤
スレイドは、70年代前半の全盛期には全英NO1も含めヒット曲を連発し、あのT-REXにも引けを取らないほどの人気を誇ったイギリスのグラムロックバンドだが、日本での知名度と人気は信じられないほど低い。
その理由は女子受け要素のないルックスとかカリスマ性の無さ何だろうか?
どうですかこのジャケット写真!なんか頭悪そうでしょ?
タワーレコードで輸入盤を購入した当時このアルバムを手にして買おうかどうか躊躇したもんな。
1曲目『How Dâ’you Ride』の冒頭から「りっすんなーう!」ってシャウトしてるし。
でもその分かりやすさが小難しいこと一切抜きで楽しめるロックンロールバンドって感じでスレイドの良さなんだよな。
当時のイギリスでは、メイクをしていたりギンギラの服を着ていたと言うだけで全部一緒くたにグラムロックって呼ばれていたけどデヴィッド・ボウイやロキシーミュージックとは全く逆のベクトルを持っているスウィートとかスージー・クアトロとかのバブルガム・グラムロック一派と言えばわかりやすいかも。
音楽的にはグラムロックというよりもハードロックと言ったほうが近い感じ。
音楽のジャンル分けがいかにいい加減なものかわかると言うものですな。
代表曲である『クレイジー・ママ(Mama Weer All Crazee Now)』では見事全英1位を獲得している。
演奏もタイトでファッションだけじゃなくサウンドもギラギラしている感じがして実にカッコいい。
特にベースがブンブンうなってて疾走感があるのとドラムが派手にシンバルを鳴らすところがイカス!
さらに『Gudbuy T’Jane』も全英2位とバンドがノリにノッている時期だった。
ハードロックだと重低音が強調されるけど、スレイドは中音域が強調されていて、そこら辺はグラムっぽい。
それにしても映像で見るとすかんちのローリー寺西がファッション、曲調、歌い方、シングルに『恋の~』と付ける点まですべてにおいてこのスレイドのノディ・ホルダーに影響を受けまくっているのがわかる。
LPではラストに収録されていたバニー・シグラーのカバー曲『let the good times roll feel so good』でのグラム仕立てのハイテンションバージョンで締めくくる構成もお見事。
アルバム総評
アルバムは本国イギリスでの爆発的なヒットに加えてヨーロッパ圏でもヒット、曲調はポップでキャッチーにもかかわらず日本では発売されなかったのかヒットはしていない。
やっぱりメンバーにイケメンがひとりもいなかったのがいけなかったのか?
当時のイギリスのバンドの中でも間違いなくグラムロックを代表する一枚のはずだが、過小評価され続けていたアルバム。
彼らは結構下積みがあるバンドで苦労人なのでつい応援したくなる要素もある。
グラムロックという実体のないジャンルを最もサウンドで体現していたのは実はこのバンドだったのかも知れない。
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