エルヴィス・コステロ1987年発表のアルバム未収録コンピレーション・アルバム第2弾。
未発表のデモ2曲とシングルB面別ミックスも収録されている。
- Seven Day Weekend (Guest Star Jimmy Cliff)
- Turning The Town red
- Heathen Town
- The People’s Limousine
- So Young (previously un-issued)
- Little Goody Two Shoes (previously un-issued)
- American Without Tears No 2
- Get Yourself Another Fool
- Walking On Thin Ice
- Withered And Died
- Blue Chair
- Baby It’s You (Guest Star Nick Lowe)
- From Head To Toe
- Shoes Without Heels
- Baby’s Got a Brand New Hairdo
- The Flirting Kind
- Black Sails In The Sunset
- A Town Called Big Nothing (Really Big Nothing)
- Big Sister
- Imperial Bedroom
- The Stamping Ground
全部集めようとすると苦労しそうなレア曲たち
収録曲のほとんどは、シングルB面等何らかな形でリリースされており、本作リリース時点で完全未収録曲は、コステロ&アトラクションズ名義でカバーしたジョジョ・ツェップ&ザ・ファルコンズのカバー曲である『So Young』のみだ。
この『Out of Our Idiot(アウト・オブ・アワー・イディオット)』と名付けられたアルバムは、まぎれもなくエルヴィス・コステロの1979年から1987年までに作曲したレア曲を集めたコンピレーション・アルバムだが、名義がVarious Artistsとなっているのはコステロ名義からアトラクション名義、ナポレオン・ダイナマイト等の変名を使ってリリースされた為だった。
さらにジャケット・デザインは、曲名のみという何の飾り気もないシンプル極まりないものだったのでパッと見はただのインディーズ・アルバムのように見えてしまう。
私が本作を初めて聴くきっかけは、横浜元町にあった洋楽メインのレンタルCDショップ『フライングソーサー』だった。日本盤は発売されておらず輸入盤だったが、いつものように店員が説明書きを入れてくれていたのでどんな内容かすぐ理解して借りてみたのだった。
レゲエ・ミュージシャンの『ジミー・クリフ』との共演『Seven Day Weekend(セブン・デイ・ウィークエンド)』からスタート。ところがこれがレゲエじゃなくロックンロール(でもどことなくAメロや間奏がレゲエっぽいリズム)。コステロはアルバムで幾度となくレゲエを取り入れてきたから影響は分かるが、まさかの選曲だったが交互に歌うスタイルが実にハマっている。
この曲は、ロビン・ウィリアムス主演の映画「クラブ・パラダイス」オリジナル・サウンドトラックにも収録されている。
Tボーン・バーネットとの共演曲『The People’s Limousine(ピープルズ・リムジン)』では、こちらもコステロのルーツのひとつであるカントリー風のナンバー。
『Blue Chair(ブルー・チェア)』のシングル・バージョンは、アルバム『ブラッド&チョコレート』収録のバージョンとは違い、ソウルフルでモータウン風のアレンジ、敬愛するニック・ロウとのデュエットではバカラックの『Baby It’s You(ベイビー・イッツ・ユー)』を共演と聴きどころは多い。
アルバム総評
CD盤の収録時間は70分34秒とギリギリまで入っているサービス精神あふれたコンピレーション・アルバム。もちろん音楽的な統一感はないが、逆にこの多彩さがエルヴィス・コステロの才能を際立出せる内容となっている。
コステロのオリジナル・アルバムよりも最も良く聴いているほど気に入っている。
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