イギリス、マンチェスターにあるオールダム出身3人組バンドの1992年リリース2ndアルバム。
洗練された音楽性に女性ヴォーカルはスウィング・アウト・シスターとかぶるイメージ。
知名度では劣るがオシャレさも楽曲の出来も決して見劣りはしない。
- ファシネイション
- トラブル・マインド
- ショー・ミー・ザ・ナイト
- ウェルカム・トゥ・ザ・ワールド
- ドリーム・ストリーム
- ホエア・アー・ユー・ナウ?
- マスター・プラン
- ストラングル・ホールド
- ネヴァー・ザ・セイム
- ウィシング・ユア・ライフ・アウェイ
- ハーフ・ア・マインド
日本でのみ人気?息の長いオシャレバンドの2nd
本国ではたいして人気なくても日本では人気があるバンドってあるけどワークシャイはイギリス本国ではほぼ無名に近く典型的なそんなバンドらしい。
2ndアルバムになる『オーシャン(Ocean)』は、ポニーキャニオンからリリース、以降90年代終わりまで契約は続くが、2000年以降は本国ではなく日本コロンビアと契約してイギリスにも逆輸入パターンで供給という珍しいパターンになっている。
ワークシャイは、デビューアルバムが日本のFMで人気が火が付いてもクイーンのように本国で売れる事がなかったのにしぶとくずっと続いている。彼らを支え続けているのは間違いなく日本の音楽ファンなのだ。
音楽性が似ているスウィング・アウト・シスターとの違いを無理やり考えるとソウル寄りなスウィング・アウト・シスターに対して『オーシャン(Ocean)』を聴く限りボサノヴァ寄りなのかワークシャイなのかなと。それとスウィング・アウト・シスターのアルバムにはシングル向きのヒットしそうな曲が1.2曲あるのにワークシャイにはそれがないのでいかんせん地味に聴こえる。
あくまでもアルバムトータルで流して聴きたいバンドだ。
オープニング曲である『ファシネイション(Fascination)』は、間奏のマリンバのトロピカルなアレンジから言って『オーシャン』というタイトルは、どうやら南国の海をイメージしたアルバムのようだ。
次の『トラブル・マインド(Trouble Mind)』の強調されたベースラインもフィルインで入るブラスも大げさにならずやり過ぎていないので2020年代になっても古臭くならず気持ちよく聴ける。
『ウェルカム・トゥ・ザ・ワールド(Welcome To The World)』なんかモロにボサノヴァだし、その次の『ドリーム・ストリーム』もサンバっぽいリズムだが、クリスタ・ジョーンズのヴォーカルはあくまでもクールかつ控えめで決して熱く情熱的にはならないのがワークシャイ流だ。
後半に収録されたマイケル・マクダーモットがヴォーカルを担当したリズムボックスにシタールのアレンジが効いている『ウィシング・ユア・ライフ・アウェイ(Wishing A Life Away)』がアルバムの良いアクセントになっている。
アルバム総評
アルバム発表から30年以上が経過しているのに現在のFM局でヘビーローテーションされていても何の不思議はないほどまったく古臭さを感じる事がない楽曲はオシャレで魅力的。
その時だけもてはやされて後に聴いて見たら毒にも薬にもならない音楽では決してない音楽性の高さがある。
ジャジーなアレンジに落ち着いた女性ヴォーカル、それに絡む男性コーラス。
これぞ日本人好みのオシャレ洋楽のツボ!
最初から日本市場を狙っていたとは思えないが、そう勘ぐってしまうほどの日本人好みのサウンド志向だ。
本作を最後にギター担当のケヴィン・キーホーが脱退するが彼だけがオーストラリア出身だった。
以後ワークシャイはクリスタ・ジョーンズ(ヴォーカル)とマイケル・マクダーモット(ベース)の2人組として活動を続ける事となった。
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