世界で最も成功したロックバンドと言えるU2の出世作であり代表作の3枚目のアルバムであるWAR。
全英チャート初登場1位を獲得した初期の代表作。
ジャケット写真の少年は、ファーストアルバム『ボーイ』と同じピーター・ロワンを起用。
- ブラディ・サンデー
- セコンド
- ニュー・イヤーズ・デイ
- ライク・ア・ソング
- ドラウニング・マン
- ザ・リフジー
- トゥ・ハーツ・ビート・アズ・ワン
- レッド・ライト
- サレンダー
- 40
初期U2を代表する名盤
1972年に起きた「血の日曜日事件」と呼ばれる北アイルランド紛争をテーマにした1曲目の『ブラディ・サンデー』のギターリフのイントロが始まると自分も何かしなければ!という不思議な衝動に駆られる。
社会的なメッセージ性の強いこの曲は、この『WAR(闘)』だけでなく、その後のU2のイメージを決定付けるインパクトのある楽曲になった。
いまだにU2にとって最も重要な曲と言えるこの曲が収録されているだけでやはり特別なアルバムと言えるだろう。
少なくともこの『ブラディ・サンデー』が発表されるまでU2はイギリスのみのローカルアーティストだった。
アメリカでもヒットした事を足がかりに一気に世界的なU2人気に火がついてくる。
『WAR(闘)』では、その爆発の火種のくすぶりのようなモノを感じることが出来る。
アルバムリリース後には、プロモーションとツアーの為に来日もしており、当時の音楽番組、『夜のヒットスタジオ』にも出演して『ニュー・イヤーズ・デイ』を披露している。
イントロが抜群にカッコ良い『トゥ・ハーツ・ビート・アズ・ワン』のピリピリした緊張感と統制のとれた見事な演奏は、とても並みの若手ロック・バンドに出せない風格を醸し出している。
『レッド・ライト』での退廃的なトランペットの取り入れかたやスピード感のある後半のコーラスなど後半の楽曲もアレンジも冴えわたっている。
アルバム総評
まだはっきりとしたサウンドの方向性は定まってはいなかったU2が、スティーブ・リリーホワイトのエコー処理したドラムとエッジのカッティング・ギターリフを中心に固まってきた。
アルバム全体にある勢いと熱っぽさで一気に引き込まれてしまう。
この荒々しくも青臭いU2はこの時期ならではの魅力だ。
- リリース 1983年
- プロデュース スティーブ・リリーホワイト
- チャート 英1位
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