デヴィッド・ボウイ/ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ(DavidBowie/Black Tie White Noise)
80年代半ばからの低迷期~ティン・マシーンを経て発表された7年ぶりのデヴィッド・ボウイ名義のソロアルバム。
ボウイ本人が全編に渡りサックスを演奏してレッツ・デンス以来となるナイル・ロジャースが再びプロデュース、フリージャズとエスノとロックの融合的なサウンドを展開し久々に全英チャート1位を獲得。
1. ザ・ウェディング
2. ユーヴ・ビーン・アラウンド
3. アイ・フィール・フリー
4. ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ
5. ジャンプ・ゼイ・セイ
6. ナイト・フライツ
7. パラス・アテナ
8. ミラクル・グッドナイト
9. ドント・レット・ミー・ダウン&ダウン
10. ルッキング・フォー・レスター
11. アイ・ノウ・イッツ・ゴナ・ハプン・サムディ
12. ザ・ウェディング・ソング
低迷期から驚異的な復活だったが・・・
『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ 』のデヴィッド・ボウイの気合の入れようは半端じゃなかったはずだ。
80年代後半の音楽的な低迷からドラッグの影響等で『すでに終わった人』扱いを受けていたボウイにとって、再起を図る第1弾アルバムだったからだ。
ナイル・ロジャースはソツなく仕事をして全く隙のない当時としては最先端のサウンドだったと思う。
しかし逆にそれが弱点にもなっている。
デヴィッド・ボウイのアルバムにしては、妙に安定感のありすぎる『置きにいった感』が出てしまっているのだ。
ファンからするとなんとも微妙なアルバムだと思う。
確かに80年代~ティン・マシーン期の低迷から奇跡的な復活!
久々の全英1位獲得!などと当時のレコード会社や音楽雑誌が書きたてたように感動的な作品に思えた。
しかし1年くらい経って改めて聴いてみると「やっぱそんなに良くないわ・・」と感じてしまった。
やはりまだリハビリ期間だったからなのか、後のインタビューでプロデューサーのナイル・ロジャースの語ってたとおりのオーバー・プロデュースで時間をかけ過ぎたせいなのか、1曲目からいきなりウェディングベルがなる激しい公私混同ぶりがいけなかったのか(当時モデルのイマンと結婚)
何よりもこのアルバムからその後のライブの定番曲が1曲もないのがイマイチ感を物語っている。
一番出来が良い曲がモリッシーのカバーの『アイ・ノウ・イッツ・ゴナ・ハプン・サムディ(I Know It’s Gonna Happen Someday)』のカバーでオリジナル以上に曲の魅力を全開にさせた。
この曲はボウイのアルバム、ジギー・スターダスト(David Bowie/Ziggy Stardust) に収録された『ロックンロールの自殺者』へのオマージュだったって言われてる。
そんな曲をカバーするなんて余裕あるじゃんとも言えるし、カバー以上に目立つ曲がなかったとも言える。
ボウイのヘタウマサックスは良い味出してるし、普通のベテランミュージシャンだったら充分満足の出来だけど、ちょっと物足りなさも残る。
それでも80年代後半のような気の抜けた感じはなくやりたい音楽をやっているのは伝わってくる。
Next⇒ブッダ・オブ・サバービア (1993年)
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コメント一覧
デビッド・ボウイ 3
NO.00513デビッド・ボウイのアルバム『ブラック・タイ・ホワイト・ノイズ』明日は夕方出発してホテルに泊まるだけなので、久し振りにゆっくりしています。とは言えツアコンの様な仕事内容(一行約25名)なので、休まる日が無い役割なのが玉にきずです。…
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こんにちは。またまたお邪魔させていただきます^^
おっしゃる通り、公私混同、迷走(?)アルバムですよね。
でも1曲目のTHE WEDDINGを聴いた時、すごく透明感を
感じて遠い目になっちゃった記憶があります(汗
当時のグラウンド・ビートもブラコンも独自の解釈で、
したたかに表現してしまう才能は、やはりすごいですよ^^
JUMP THEY SAYのPVがデヴィット・リンチのような
不条理な映像で感動した思い出もあります^^
ボウイを超えられるのはボウイだけって、本当に
そんなアーティストだと思います。
長文でゴメンナサイ;
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こんにちは。
確かにこれらの要素をごちゃ混ぜにしてアルバムにまとめる能力はスゴイですね。
ティンマシーンよりははるかにボウイらしいアルバムだと思います(笑)
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4曲目の表題曲、彼の作品の中で一番、鮮烈な何かが出てるように思うな・・・。現実を肯定する強い力かも。この人、気持ち悪くて好きじゃなかったけど、いい人だったのかなって思ったよ。
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このアルバムで何か吹っ切れたような印象がありますね。
この後ちょっといい人過ぎる路線へ行き過ぎてまた気持ち悪い路線に戻ってきます(笑)