カーディガンズ(The Cardigans)のヴォーカリスト、ニーナ・パーション(Nina Persson)と元アトミック・スイングのクラス・フリスクが共同で製作した楽曲をスパークルホースのマーク・リンカスがプロデュースしたユニットで実質的なニーナ・パーションのソロ・プロジェクト。
日本盤にはボーナス・トラックとして『アイ・キャン・バイ・ユー』『キャンプライフ・パート1』のビデオ・クリップが追加収録されている。
- フリークエント・フライヤー
- アイ・キャン・バイ・ユー
- エンジェル・オブ・サッドネス
- サッチ・ア・バッド・カムダウン
- ソング・フォー・ザ・レフトオーヴァーズ
- ウォーキング・ザ・カウ
- ハード・アズ・ア・ストーン
- アルジブラ
- サイレント・ナイト
- セイム・オールド・ソング
- オッドネス・オブ・ザ・ロード
- ロックンロール・ゴースト
- ブルーエスト・アイズ・イン・テキサス
- エレファント ※〈CDエクストラ〉内容:「アイ・キャン・バイ・ユー」ビデオ・クリップ,「キャンプライフ・パート1」ビデオ
カーディガンズとは一味違うアルバム
『ア・キャンプ(A Camp)』というユニット名が、そのままアルバムタイトルになっている。
メンバーは、ニーナ・パーション(カーディガンズ)とその夫である作曲担当のネイサン・ラーソン、クラス・フリスク(アトミック・スイング)となっているが、ジャケット写真は思いっきりニーナのアップだし、どう見てもこれはニーナ・パーションのソロ・プロジェクトと言えるだろう。
スウェーデンというつながり以外にカーディガンズとアトミックスイングに音楽的な共通点があるとは思えなかったが、スウェーデンの音楽業界自体が狭いこともあってミュージシャン同士の交流は日本やアメリカに比べて活発だと聞いたことがある。
アルバム収録曲でシングルになったのが、まずイントロのハーモニカが印象的な『アイ・キャン・バイ・ユー(I Can Buy You)』スウェーデンチャートで17位にランクインしている。
もう1曲の『ソング・フォー・ザ・レフトオーヴァーズ(Song For The Leftovers)』は、間奏でのテルミンの演奏が良い味出している。地味過ぎたのかスウェーデン総合チャートでもランクインしなかったが、リスナー投票形式のトラックスチャートでは14位にランク・インしている。
どちらもカーディガンズよりもで落ち着いた曲調でアレンジシンプルば大人の楽曲に仕上がっている。
よく聴くと他の楽曲でも一部テルミンが使われており、アルバムの牧歌的な雰囲気を醸し出している。
カントリー寄りな楽曲が多い中、オルタナティブ・ロック的な『セイム・オールド・ソング(Same Old Song)』や『オッドネス・オブ・ザ・ロード(the oddness of the lord)』みたいな曲も収録されているが、音色は尖っておらずアドリブに任せた箇所も最小限に思える完全にコントロールされたクールなサウンドに仕上がっている。
アルバム総評
音楽的にはあくまでもポップスだったカーディガンズよりもカントリー寄りでニーナのヴォーカルも熱くなり過ぎず自然体で落ち着いて聴けるアルバム。
メロトロンっぽいシンセを効かしたエコー処理がドライで空間的なサウンドを創り出し単なるオシャレなBGMで収まらない存在感を演出している。
本作『ア・キャンプ(A Camp)』は、スウェーデンでは当然のようにチャート1位を獲得したが、他の地域では音楽的に評価されても大きなヒットには至らなかった。
ア・キャンプは、2009年には2枚目のアルバムをリリースしているが、その後は活動を停止している。
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