ロキシー・ミュージック/フォー・ユア・プレジャー(Roxy Music/For Your Pleasure)

Roxy music

初期ロキシーミュージックの妖しくアヴァンギャルドな魅力満載で人気を決定付けた2ndアルバム。
これを最後にブライアン・イーノはロキシー・ミュージックを脱退する。

  1. ドゥ・ザ・ストランド
  2. ビューティー・クイーン
  3. ストリクトリー・コンフィデンシャル
  4. エディションズ・オブ・ユー
  5. イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク
  6. ザ・ボーガス・マン
  7. グレイ・ラグーン
  8. フォー・ユア・プレジャー
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イーノ在籍のラストアルバム

ロキシー・ミュージックの初期の代表作である『フォー・ユア・プレジャー』の何が好きかっていうとまずジャケットがメチャクチャカッコいい!

いまや音楽はダウンロードやストリーミングで聴く時代かも知れないけどこれらの音楽にはジャケットがないのが残念な点。

それに対して実際に『フォー・ユア・プレジャー』のジャケットの入ったCDアルバムを手にするとワクワクしてくるような気持ちになる。

このクールで近未来的で訳のわからないジャケットは『フォー・ユア・プレジャー』リリース当時のロキシー・ミュージックのサウンドを見事に表現している。

プロデューサーは、前作のピート・シンフィールドからクリス・トーマスに交代となっている。
トーマスは、ビートルズのプロデューサーとして知られるジョージ・マーティンの助手からスタートしてピンク・フロイドの『狂気』のミキシングやジョン・ケイルのプロデュースもおこなっていた。

その後のライブでの定番曲となる『ドゥ・ザ・ストランド』から非常にまとまった勢いのあるバンドサウンドでデビューアルバムからの成長を感じることができる。
ブライアン・フェリーのヴォーカルも硬さがだいぶ取れて伸びやかだ。

Roxy Music - Do the Strand

ハイライトは4曲目の『エディションズ・オブ・ユー(Editions of you)』、間奏のサックス、ギター、シンセと続くソロ・パートがやたらと盛り上がる。
初めて聴いたときは「なんて変でカッコいい曲なんだ!」と感動した。
そしていまでもそう思う。

Aメロを繰り返してるだけなのに、こんなシンプルでカッコよくて変な曲はブライアン・フェリーにしか作曲できない!

Roxy Music - Editions of you

対照的に『イン・エヴリ・ドリーム・ホーム・ア・ハートエイク』は同じフレーズで沈み込むフレーズを繰り返し嵐のようなドラムソロとギターソロでたたみかける。

でもそこには従来のロックにあったような泥臭さは微塵も感じさせないのロキシー・ミュージックらしい。

『ザ・ボーガス・マン』も興味深い。
ドラムのリズムにしてもサックスのフレーズにしてもジャズ的とかプログレ的ともいえるがそれともちょっと違うロキシー・ミュージック独自のサウンド。

それにしてもメンバー全員音楽的には素人のはずなのにどうしてこんな曲が出来上がったのか不思議。

『グレイ・ラグーン』は、リズムの変拍子とフィフティーズ的なロックンロールが合体した初期のロキシーミュージックらしい曲。
やたらとソロパートが長いのにまったく退屈しない構成と演奏が素晴らしい。

ブライアン・フェリーの創り出す『フォー・ユア・プレジャー』の曲構成自体は結構シンプルなのに複雑に聴こえるのはブライアン・イーノのシンセ以上にアンディ・マッケイによる地を這うようなサックスや退廃的な雰囲気をかもし出すオーボエによる演奏のよるところが大きい。

アルバム総評

プロデューサーがクリス・トーマスになってからサウンドが安定してまとまりが出てきた。

あやしい雰囲気とシンセノイズが交錯する本作『フォー・ユア・プレジャー』を最後にブライアン・イーノが脱退してからはロキシー・ミュージックのサウンドは(ファッションもか?)分かりやすくまとまった方向性へ大きく変化してしまうのだからやはりその存在は非常に大きかった。


【アルバムデータ】

  • オリジナルリリース 1973年
  • プロデュース クリス・トーマス
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