ロキシー・ミュージックのギタリスト、フィル・マンザネラが1975年に発表したソロアルバム第1弾。
アルバム『カントリーライフ』と『サイレン』の合間の慌ただしい時期に作ったとは思えないほど充実した内容でギタリストのソロアルバムの域を超えたラテンテイストあふれる名盤。
- フロンテラ
- ダイモンド・ヘッド
- ビッグ・デイ
- ザ・フレックス
- セイム・タイム・ネクスト・ウィーク
- ミス・シャピロ
- イースト・オブ・エコー
- ラグリマ
- アルマ
- カリュンバ (ボーナス・トラック)
- コラゾン・イ・アルマ (ボーナス・トラック)
曲ごとにゲストヴォーカルを迎えギタリストに徹する
このアルバムが発表された75年当時、ロキシー・ミュージックメンバーではブライアン・フェリーがソロアルバムを発表、イーノはすでに脱退してソロアルバムを発表してどちらも好評価、好セールスだったため、ついにギタリストであるフィル・マンザネラにもチャンスが巡ってきたのだった。
通常、ギタリストのソロアルバムと言うとヘタな歌をうたっちゃたりとか、テクニックひけらかし系のソロ弾きまくりだったりするんだけど、常に控えめなフィル・マンザネラがそんな事をするはずもなく、大勢のヴォーカリストとサポートメンバーに支えられてアルバム、『ダイアモンド・ヘッド』は製作された。
参加メンバーがまた強力!ロキシーミュージックのブライアン・フェリーを除く全員、しかもイーノとエディ・ジョブソンの両方が参加しているし、キング・クリムゾンからはジョン・ウェットン、ソフトマシーンからはロバート・ワイアットと豪華な顔ぶれ。
マンザネラ自身はヴォーカルを取らずにそれぞれの曲によってヴォーカルが入れ替わり、もちろんイーノも歌っている。
このバラバラ加減がまた良かった。
だってひとりのヴォーカルがアルバム全部歌ってるとその人のアルバムみたいになっちゃうっしょ?
特にイーノの個性は強烈でヴォーカルをとっている曲はそのままイーノのソロアルバムで使えるような内容になっているのでアルバムの半分以上歌われたら乗っ取られるところだった。
あぶないあぶない。
フィル・マンザネラの独特の個性のスパイスにより『ダイアモンド・ヘッド』はラテン・プログレとも言えるような他の誰も真似できない世界観を展開。
オープニングナンバーの『フロンテラ』からラテン色が強く、完全にロキシー・ミュージックとは別の方向性を感じさせる。
ギターインストの幻想的な名曲、タイトル曲の『ダイアモンド・ヘッド』、ロキシーでお馴染みのサックスのアンディ・マッケイとの掛け合いが聴きどころの『Flex』 何じゃこのイントロ!?の心地よいノイズ、『ミス・シャピロ(Miss Shapiro)』など1曲ごとに独立しながらもトータルイメージはイーノ色が濃いおかげでまとまっている。
本当にフィル・マンザネラとイーノってすごく相性が良いと思う。
ロキシー・ミュージックにおけるイーノの一番の理解者はマンザネラだったんじゃないかな。
他のフィル・マンザネラのアルバムも、ほとんど聴いたけど正直言ってこのアルバム『ダイアモンド・ヘッド』だけが突出して素晴らしかった。
ダイヤモンド・ヘッド収録曲の動画視聴
miss shapiro
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