ロキシーミュージックの4thアルバム。
すでにイーノの面影はなくサウンドもだいぶ落ち着いてきた。
ライブでの定番で代表曲のひとつ『アウト・オブ・ザ・ブルー(Out of the Blue)』を収録。
1. ザ・スリル・オブ・イット・オール
2. スリー・アンド・ナイン
3. オール・アイ・ウォント・イズ・ユー
4. アウト・オブ・ザ・ブルー
5. イフ・イット・テイクス・オール・ナイト
6. ビター・スウィート
7. トリプティック (聖なる3枚の絵)
8. カサノヴァ
9. ア・リアリー・グッド・タイム
10. プレイリー・ローズ
プロデューサー交代によりサウンドが変化
やっぱりロキシーの『カントリー・ライフ』と言えばこのジャケット写真でしょう!
今じゃ何てことないこのジャケ写も74年当時は大問題で北米盤は女性モデルなし(右側は元男だけど)のただの森の写真になってしまったなんて、今となっては笑い話ですな。
かくゆう私も発売からずーと後の事だけど高校生の頃にレンタルCDショップでこの『カントリー・ライフ』のジャケットをレジに持っていくのがメッチャ恥ずかしかった想い出がある。
今思うとなんて純だったんだろう・・・
さて本作『カントリー・ライフ』からプロデューサーにデビュー時からのクリス・トーマスから代えてジョン・パンターを起用している。
デビューアルバムが成功すると同じプロデューサーが何枚かのアルバムまで続くことは今でも多いけれど、やっぱりどう考えてもブライアン・フェリーはここが勝負どころ!と思ったのではないだろうか。
同じプロデューサーだとどうしてもサウンドが似てしまうし固定したイメージも持たれやすい。
それが固定ファンの期待に応えることになるのかも知れないけど、フェリーさんはもっと幅を広げたかったし成功したかったのだろう。
その効果は『ザ・スリル・オブ・イット・オール』から顕著にあらわれている。
イントロのギターソロもクリス・トーマスならもっと粘っこいアクの強いサウンドにしてそうな部分をかなり押さえてまっとうな聴きやすい感じになっている。
シンセサイザーの音は極力抑え気味でストリングスを活かしたアレンジはそれまでのロキシーサウンドと比べてナチュラルな印象を受ける。
『スリー・アンド・ナイン』のイントロなんていかにもカントリー風で「え!?これがロキシーミュージックの曲なの?」ってほど気持ちいい裏切りっぷり。
シングルになった『オール・アイ・ウォント・イズ・ユー 』は、フィル・マンザネラのギターが活躍する曲、これって結構貴重。
だってこれ以降のロキシーミュージックのアルバムではこの粘っこい印象的なフレーズのフィル・マンザネラのギターがフューチャーされるような曲はほとんどなくなってしまうから。
そして極めつけは『アウト・オブ・ザ・ブルー』 。
この曲はロキシー美学とバンドサウンドの頂点かもしれない。
イントロの浮遊感のあるコード進行、その上に乗ったアンディ・マッケイのシンプルなフレーズ、動きまくるベースライン、唐突な転調など初期ロキシーミュージックの魅力がぎっしり詰まって、しかもかなり聴きやすくまとまっている。
『カサノヴァ』などで見られるオルガンのアレンジなどはブライアン・フェリーのソロアルバムでの使い方とかなり似ていて段々とロキシーミュージック自体がフェリーのソロプロジェクト化しつつあるのをうかがわせる。
『ア・リアリー・グッド・タイム』は、ドラマティックかつ美しいロキシー・ミュージックの中でもベストアルバムに収録はされないものの隠れた名曲。
最後の曲『プレイリー・ローズ』、これがまたスゴイ。
曲全体に流れる躍動感はブライアン・フェリーがブラック・ミュージックから大きな影響を受けているのがわかる。
間奏のおなじみの展開、サックスソロの後のギターソロも決まっている。
スライドギターをアップテンポの曲に取り入れたり、最後のコーラスのかけ合いなど曲全体に才気がほとばしっておりアルバムをしめるのにふさわしいナンバー。
バンドとしての盛り上がり的にはこの『カントリー・ライフ』から、この次のアルバム『サイレン』でついにロキシー・ミュージックの美学と音楽性は頂点を極めることになる。
⇒Nest(1975年)
ロキシー・ミュージックCDアルバムレビュー一覧(Roxy Music)
Roxy Musicロキシー・ミュージック/フォー・ユア・プレジャー
カントリー・ライフ収録曲の動画
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A Really Good Time
Prairie Rose
コメント
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フフフ・・・
このアルバムは、レコード屋で何度もしげしげと眺めたものです。もちろんLPの時代。
音は聞いたことありません(苦笑)。
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LPだったらジャケットがさぞ目立ったでしょうね。
聴いてみてくださいよ~
内容もいいアルバムですよ!