デヴィッド・ボウイ/ア・ニュー・キャリア・イン・ア・ニュー・タウン 1977-1982(完全生産限定盤)

David Bowie

デヴィッド・ボウイの1977年から1982年までのいわゆるベルリン時代からアルバム『スケアリー・モンスターズ』までの音源をまとめたボックスセット第3弾でタイトルは『ロウ』の収録曲から『ア・ニュー・キャリア・イン・ア・ニュー・タウン』と名付けられた。

音がいきなり小さくなってしまうミスがあった『ヒーローズ』のディスクは日本盤では特別に修正盤が入っているので合計12枚組。

スポンサーリンク

輸入盤と日本盤の違い

ア・ニュー・キャリア・イン・ア・ニュー・タウン日本盤特典
  1. 日本語ブックレット:書き下ろしライナーノーツ/英文ライナー完全対訳(プロデューサー:トニー・ヴィスコンティによるプロダクション・ノートをはじめとするオリジナル・ブックレット対訳)/歌詞・歌詞対訳を掲載
  2. 日本盤のみスペシャル封入特典(16ページ・フォトブック
  3. 『ヒーローズ』の修正盤収録

ディスク1.:ロウ<2017リマスター>

ロウのジャケット

ジャケットの色味がこれまでに比べてやや暗めになっている。
個人的には悪くないと思うけど好みが分かれる部分かも知れない。

ディスク2.:ヒーローズ<2017リマスター>

まずこのディスクに関しては、最初に発売された輸入盤でのミックスミスがあり、日本盤には修正盤が入っている。
個人的には差し替えてくれるだけで充分で、最初のミックスのディスクいるかなーって感じだった。

最初の2曲まではあまり音が良くなったとは感じなかったけど、タイトル曲の『ヒーローズ』のバックのシンセサイザーのウネウネした音が立体感を感じた。音圧も上がっている印象を受ける。

『沈黙の時代の子供たち』になるとコーラスやイントロのギターの音が明らかに良くなっているのが分かる。

このアルバムに関してはもう少しデジタルっぽいサウンドでも良いのかなと感じたが、全体的に音がクリアになって分離が良くなっていて満足。

ディスク3.:ヒーローズE.P.<2017リマスター>

ジャーマン・ヴァージョンやフレンチ・ヴァージョンの12インチ・シングルや「ヒーローズ」シングル・ヴァージョンなどを収録したミニアルバムで当然2017年ミックス。
これまでバラバラだった音源がまとめて聴けるのは嬉しい。

ディスク4.& 5.:ステージ(オリジナル)<2017リマスター>

1978年発表のライブアルバムのオリジナル発表時の曲順。

ディスク6. &7.:ステージ(2017 ミックス)<2017リマスター>

実際の公演曲目順にして、新たにトニー・ヴィスコンティによりリマスターされたアルバム。

ディスク8.:ロジャー<2017リマスター>

トニー・ヴィスコンティ2017ミックスと聴き比べて見るのも面白い。

ディスク9.:ロジャー(トニー・ヴィスコンティ2017ミックス

生前のボウイの賛同を得て、トニー・ヴィスコンティがヒューマン・スタジオにてオリジナル・マルチ・トラックと再び向き合い新たにリミックス、ボウイの求めるサウンドに仕上げ、アートワークも新たにしたアルバム。

これまでのミックスとはかなり印象が違い、ボウイのヴォーカルとコーラスがかなりクリアになっているし、シンセサイザーの音のひとつひとつがハッキリ聴こえる。
なるほどボウイとヴィスコンティは当時こんなサウンドにしたかったのだなと納得出来る出来映え。

これまで不遇のアルバムと言える『ロジャー』がついに報われた気がする。

ディスク10.:スケアリー・モンスターズ<2017リマスター>

アルバム『スケアリー・モンスターズ』の最新2017年リマスターの通常版。

ディスク11.:リコール3

過去2作のBOX同様、リマスターされたシングル・ヴァージョンやアルバム未収録シングル曲、サントラ収録曲などをまとめたコンピレーション・アルバム。
これは過去2作と比べてもかなりのレア音源が収録されている。

クイーンと共作された『アンダー・プレッシャー』のシングルバージョンや映画『キャット・ピープル』主題歌のサントラ用のバージョン、これは長いこと探していた音源でやっと聴けた!って感じだった。

アルバム『レッツ・ダンス』収録のテンポが速いバージョンしか一般には出回っていなくて、キャット・ピープルのサントラって日本では発売されていないし、この1曲の為にサントラ買うってのも何だし収録されていて良かった。

さらにテレビでビング ・クロスビーと共演したクリスマスソングをモノラルで無理やり収録。(でも音は良い)

まとめ

音質的には非常に丁寧なミックスが施されており、クリアでアナログ的な丸みのあるサウンドのヴィスコンティミックスに関しては非常に満足。他も楽曲も概ね満足。

ただヴィスコンティミックス以外は、取り立てて大きな変化はないのも確か。

ディスクの内容的には、『ヒーローズ』が2枚、『ステージ』が2枚と『ロジャー』が2枚とミックス違いとは言えアルバムのダブりがあり、本当にマニア向けのコレクターズアイテムといった感じ。

やっぱり修正盤と日本語訳や写真集があるから日本盤のほうが後悔はなさそう。

残念ながら『サム・アー』などライコ盤に収録されていた未発表ボーナストラックの収録は無かった。

もしそれらのインスト楽曲をまとめて聴きたい人には、All Saints: Collected Instrumentals 1977-1999をおすすめする。

デヴィッド・ボウイアルバムレビュー一覧

コメント