ジーザス・ジョーンズ/パーヴァース(Jesus jones/Perverse)

2022年6月3日

ジーザス・ジョーンズ/パーヴァース

ジーザス・ジョーンズの3rdアルバム。
それまでのポップなサウンドとは一味違う一筋縄ではいかない重厚なデジタルサウンドで賛否両論となった。

  1. ゼロズ・アンド・ワンズ
  2. ザ・デヴィル・ユー・ノウ
  3. ゲット・ア・グッド・シング
  4. フロム・ラヴ・トゥ・ウォー
  5. イエロー・ブラウン
  6. カリカチャー
  7. マガジン
  8. ザ・ライト・ディシジョン
  9. ユア・クルセイド
  10. ドント・ビリーヴ・イット
  11. フェニックス
  12. タン・タイド
  13. スパイラル
  14. イディオット・ステア

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ファン離れを招いた?問題作

一時期、スゴイ勢いでもてはやされて急激に評価と人気が落ちるバンドって結構あるけど、ジーザス・ジョーンズってその典型だったよなー。
『パーヴァース 』は3rdアルバムであり、この作品で確固たる地位を確立する・・・ハズだったが、このアルバムあたりからそれまで絶賛していたファンや評論家からソッポを向かれたような印象がある。

気付けばアルバム発表後、日本で『パーヴァース』を褒めているのは当時親交があってライナーを書いた布袋寅奏だけだったみたいな感じで2000年以降に至っては日本で全アルバムが廃盤という惨状・・・

オープニングの『ゼロズ・アンド・ワンズ』はこれまでの音楽性の延長上ながら、テクノビートにエレキギターをかぶせたようなロックよりもテクノに比重を置いた曲という印象を受ける。

そしてそれはそのままアルバムを通しての印象になる。

次の『ザ・デヴィル・ユー・ノウ』を聴くとやや早すぎたインダストリアルロックという感がある。

『イエロー・ブラウン』のような起承転結がハッキリしていないシンセサイザーで制作されたギターレスの楽曲は、それまでのジーザス・ジョーンズの曲には無かった実験的な試みだった。

その反面、従来のファンが喜びそうな『マガジン』のようなポップなデジタル・ロックも含まれている。

アルバム総評

この『パーヴァース』をあらためて聴き直したら、それまでの2枚のアルバムと比べて確かに聴きやすいアルバムではないが、楽曲のクオリティはかなり高く出来は決して悪くない。

現在のバンドでもこんなサウンドはありそうだ。
つまりこの手のデジタルロックはジーザス・ジョーンズがすでに90年代前半の時点でほぼ完成させていたのだ。

マイク・エドワーズが新しいサウンドの方向性が欲しかったのは理解出来るし、それなりにうまくいったはずだった。

ただ似たようなアレンジの曲が続くので途中で飽きが来てしまう。
これまではメロディーのポップさでカバーをしてきたが、『パーヴァース 』にはその要素が薄く、ここから人気が失速したのも納得できる。

従来のファンが求めていたのはもっとポップで分かりやすい音楽で新しいファンを獲得するにはもっと大胆な変化が必要だったのかも知れない。
ジーザス・ジョーンズというバンド自体が、今や知る人ぞ知る存在となってしまったが、もうちょっと見直してほしいバンドのひとつだ。

  • リリース 1993年
  • プロデュース マイク・エドワーズ
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