ブラジル生まれのドイツのベルリン育ちの女性シンガー・ソング・ライター、PAT C(パット・シー)の日本先行でリリースされた2ndアルバム。
その斬新かつオシャレな音楽性は一言であらわすとオルタナティブ・ボサノヴァ。
『先どりNavi(ナビ)』と『食は知恵なり』のWテーマソングになった『Pisca Punga’ピスカ・プンガ)』を収録。
- Tratshi(Pat C.&Chips)
- Toshishita no Otokonoko(Pat C.&Ikon)
- Pisca Punga(Pat C.&Anvil FX)
- Tequila(Pat C.&Sirius Mo)
- Prozac(Pat C.&Ikon)
- Aiii(Pat C.&Rephill)
- Lao-Tse(Pat C.&Rephill)
- Cor-de-Rosa(Pat C.&Kuenstler Treu)
- Amore e Vem(Pat C.&Ikon)
- Klin-Klin(Pat C.&Rephill)
- Vai e Vem(Pat C.&Ikon)
- Saudade(Pat C.&Plastilina)
キャンディーズのカバー曲を含む2ndアルバム
ボサノヴァとクラブミュージックをごっちゃにした感じでこのアルバムのサウンドは実にクールかつキュート!
デジタルビートの『Tratshi』からスタート。曲の後半からボサノヴァ風のキーボード・ソロとギターの伴奏が入るのがオシャレ。
佐川急便イーコレクトのCMソングにもなったキャンディーズの『年下の男の子』をフランス語でカバーした曲だけがアルバムから浮いちゃっているが、日本のファンに親しみを持ってもらう為にアルバムタイトルに起用したのはある意味じゃ成功でしょう。
♪さびしがり屋での部分の歌詞が日本語と似ているフレーズになっているのが結構ツボ。
だたし、この曲は日本盤のみに収録のボーナストラック扱いとなっている。
代表曲の『Pisca Punga』は、アコースティック・ギターのリフが印象的な日本でもあちこちでBGMで聴く機会が多かった中毒性があって何度も聴きたくなる名曲。
収録曲がボサノヴァばかりかというとそうでもなく『Tequila』なんかは典型的なディスコ・ミュージック、フレンチ・ポップス風の『Prozac』、『Aiii』、『Lao Tse』からの突然サンバになる『Cor-de-Rosa』は、サンバっっぽいリズムを使っていたりヘタするとかなり薄っぺらい、つまらない音になりかねない危ういバランスを見事なクラブ寄りのプロデュースで仕上げている。
ドラムン・ベースの『Vai e Vem』エレクトロ・サウンドの『Saudade』だったりとバラエディにも富んでいて聴き手を飽きさせない。
これらのバラエティに富んだサウンドを支えるのがロンドンの人気DJチームSkeewiff(=Ikon)を始め、Le Hammond Inferno、Sirius Mo、Knofi、A. Treu、Anvil FXらのヨーロッパ、ブラジル勢のミュージシャン達。
アルバム総評
PAT Cに関しては、なにぶん情報がかなり少ないので詳細は不明だが、伝統的なボサノヴァの枠を超えたフレンチ・ポップやサンバ等の要素を加えた自由な音楽性が単純に聴いていて楽しいアルバムだ。
通常のボサノヴァ好きな人が好んで聴きそうな音楽性ではないかも知れないが、一般的な音楽ファンにもアピールする魅力は十分にある。
クレジットを見ると全曲PAT C本人によるオリジナル曲で控えめに言っても天才ではないだろうか。
このアルバムも含めてもう少し評価されても良いのではないだろうか。
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