フェイ・ウォンが日本で最も注目をされていた時期である1998年に発売され、アジアのアーティストとしては異例のゴールドディスクを獲得した代表作。
ファイナルファンタジー8挿入歌『Eyes On Me』を収録。
- ラヴ・ライフ(感情生活)
- イマジネイション(瞼)
- 恋の戒め(色誠)
- キヴ・イン(半途而廃)
- フライ・アウェイ(飛)
- 思いのままに(祢)
- 真実を隠して(小聡明)
- 永遠の眠り(醒不来)
- アカシアの実(紅豆)
- チャイルド(童)
- 麻酔(REMIX)
- EYES ON ME
- キヴ・イン(原諒自己)(広東語ヴァージョン)
- アカシアの実(償還)(広東語ヴァージョン)
- 恋の戒め(情誠)(広東語ヴァージョン) ※〈HDCD〉
フェイ・ウォンの日本での代表アルバム
90年代半ばから徐々に日本でもアジアの音楽が浸透してきた。
フェイ・ウォンのアルバムはすでに何枚か日本でも発売されていたが、大きなヒットには至っていなかった。
この広東語と北京語の両方でレコーディングされた『チャン・ヨウ (歌あそび) 』以前のフェイ・ウォンといえば知る人ぞ知るアジアの歌手という位置付けで日本では決してメジャーといえる存在ではなかった。
しかし、99年にFFシリーズのコンポーサーとして知られる植松伸夫が作曲した『Eyes On Me』がオリコン・チャート9位のヒットとなると風向きが変わる。
1999年3月にシングルと同時リリースでボーナストラックとして『Eyes on Me』を収録した『チャン・ヨウ (歌あそび) スペシャル・エディション』もアルバムとしてもヒットに繋がったのだった。
このヒットにより日本でのフェイ・ウォン人気は頂点に達し、ツアーは半年間に及びついには武道館でライブをするほどになった。
それまでのフェイ・ウォンの日本でのCD売り上げ実績を考えたらアジアのアーティストで武道館ってかなりの快挙だった。
今でこそアジアのアイドルグループや俳優が大きなハコでライブをするのは当たり前となったが、90年代年まではとても考えられなかった事だった。
『チャン・ヨウ』以前は、欧米や日本のポップスをカバーする事が多かったフェイ・ウォンだが、この辺りからフェイ・ウォン自身も作詞、作曲を参加して徐々にオリジナル志向が高くなり意気込みを感じる。
アジア的なゆったりとしたスケール感のあるスロー・バラードが中心となっていて代表曲は、シングル曲『アカシアの実』あたりか。
『チャイルド』のようにデジタル・ビートに民族音楽の要素を取り入れた新しい試みの曲もりつつ、『麻酔』のようなギターのクリーン・トーンとフェイ・ウォンの声の相性は非常に良く、ヒーリング・ミュージック的な要素もある。
しかし、何と言ってもこのアルバムのヒットの要因は、『EYES ON ME』に尽きるだろう。
ゲームの挿入歌として英語で歌われたこの曲は、アジアを飛び越えて世界中で聴かれる事なりフェイ・ウォンの名も世界的に広まるきっかけとなった。
アルバム総評
それまで低く見られがちだった日本でのアジアンポップスと言うジャンルを一段高い位置に持ってきたのは、このフェイ・ウォンの『チャン・ヨウ (歌あそび)』のヒットによる功績が多いのではないだろうか。
欧米の音楽を血肉としながらアジア人として堂々と歌い上げるフェイ・ウォンによる『チャン・ヨウ (歌あそび) 』は、単なるアジアンミュージックの枠を飛び越えたアーティスティックな作品となった。
香港の歌手だけど実は中国本土の北京出身って知ってた?
【おすすめ関連記事】
コメント