ウルトラヴォックス!が本格的にブレイクする前のジョン・フォックス(John Foxx)在籍時の77年の2ndアルバム。
当時イギリスで流行のパンクとテクノを先取りした演奏はまさにニュー・ウエーブと呼ぶに相応しかった。
- ロックロック
- フローズン・ワンズ
- ウェスタン・ワールド
- ディスタント・スマイル
- マン・フー・ダイズ・エヴリ・デイ
- アーティフィシャル・ライフ
- スティル・アライヴ
- ヒロシマ・モナムール
- ヤング・サヴェージ (ボーナス・トラック)
- マン・フー・ダイズ・エヴリ・デイ (リミックス) (ボーナス・トラック)
- ヒロシマ・モナムール (オルタナティヴ・ヴァージョン) (ボーナス・トラック)
- クワークス (ボーナス・トラック)
- マン・フー・ダイズ・エヴリ・デイ (ライヴ) (ボーナス・トラック)
- ヤング・サヴェージ (ライヴ) (ボーナス・トラック)
勢いにまかせて感覚で作った感が心地よい
パンクに飽きてきた頃にこんなアルバムが発表されたらそりゃ当時の若いリスナーは飛びついたんだろーなと容易に想像できる自由奔放なアイディアと勢いの良さが心地よい。
ウルトラヴォックス!のアルバムの中でも特に『HA!HA!HA!』は深く考えないで勢いで作りました!感が全体から漂っていて非常にロック的だ。
何しろ1曲目のタイトルが『Rockwrok』だしね。
次の『フローズン・ワンズ』も同様に勢いとノリとセンスで一気に作り上げたような曲。こんなの数年後に似たような曲作ろうと思っても無理なんだろうな。
エレピと変なギターフレーズの組み合わせは、同時期のUKバンド、XTCの初期とも共通点があるが、ウルトラヴォックスのHA!HA!HA!ではギターのノイズがかなり強調されている。
特に3曲目の『ウェスタン・ワールド(Fear In The Western World)』なんかはいきなりフィードバックノイズから曲が始まるし、ギターソロもフィードバックを何重か重ねて録音している。
このあたりのヒステリックで金属的なサウンド造りにジョン・フォックスのセンスを感じる。
今ではこんなのは当たり前の90年代以降のオルタナティブ・ロックの定番手法だけど、これを70年代にすでにやっているにも関わらずアルバム全体の聴いた印象がポップだと言うバランス感覚が結構スゴイ。
かと思えば『ディスタント・スマイル』のイントロはまるで環境音楽のように静かに始まって後半はバンド演奏になるスタイルにしたりと緩急も付けてくる。
ラストに収録された『ヒロシマ・モナムール』のサックスの入れ方はモロにロキシー・ミュージック風だけどもっとB級的というか、リズムボックスを使ったチープなオケがいい味を出している。
アルバム総評
ウルトラヴォックス!のアルバムの中でも『HA!HA!HA!』は、抜群に勢いがある。
荒々しくパンク的でありながら、センスとインテリジェンスを感じるバンド演奏はこの時期ならではの魅力にあふれている。
コメント
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鍵盤も強いですが、やはりギターの歪みの音が一番強いようですね。ヒロシマのリズムボックスとサックスの相性がメチャクチャなのがまたいいというか(笑)
ジョン・フォックス期の中でも特に好きなアルバムです。
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あのリズムボックスは予算も時間もない苦しまぎれだたったのかも知れないけど、
コレ聴くと最近の長い時間をかけてレコーディングする傾向に少し疑問を感じます(笑