長渕剛の代表曲のひとつ『乾杯』の元ネタはロッド・スチュワートの『セイリング(Sailing)』ではないかと以前から言われていた。
検証してみたらそれ以外にも別の洋楽曲を合わせた曲だった可能性が?
パクリ度
キャリアの割にはパクリネタが少ない長渕剛
最近、長渕剛の周辺が何だかきな臭い。そのせいか長渕剛のパクリネタを探している人が増えた印象がある。
そういえば長渕剛の似ている曲ってこれまで1曲しか紹介していなかった。
でも探してみると意外と見つからかった。やっぱり歌い回しやメロディーのクセが強いからだろうか?
長渕剛は一時期ブルース・スプリングスティーンの影響モロだった時代もあったが、1曲丸ごとパクったりはさすがにしないのか?
【アレンジ】セイリング
そんな中でも『乾杯』の元ネタが、ロッド・スチュワートの『セイリング(Sailing)』だと言われているのは知っていた。この曲はサザーランド・ブラザーズがオリジナルでロッド・スチュワートバージョンはカバーなのだが1975年に全英1位を記録する大ヒットとなっているので日本でも知名度がある曲だ。
改めて聴いてみてもこれが『乾杯』の元ネタ?って感じるほどメロディーは似ていない。
しかし、2.3回聴いているうちにこれってコード進行がすごく似ているのでは?と気付いた。
テンポも近くて『セイリング(Sailing)』のカラオケで『乾杯』が歌えそうだなと。
コード進行
特徴的なのが『セイリング(Sailing)』のやや儚げで哀愁を感じるAメロのコード進行。
この曲にはAメロしかないのでほぼこれがすべてと言って良い。
キーを分かりやすくCに統一して『乾杯』と比べてみよう。
C⇒Am⇒F⇒C⇒Dm⇒Am⇒Dm⇒C⇒G⇒C
C⇒Am⇒F⇒C⇒Dm⇒Am⇒Dm⇒G7⇒C
ほぼ一緒!なるほどだから印象が似ている訳だ。
F⇒Cはクラシックではあまり見かけないが、ポップミュージックでは普通にあるコード進行だからまあ良いとして、その後のDm⇒Am⇒Dmという一時的マイナー転調を感じさせる進行まで同じだったとは。
『乾杯』は、GがG7になっているけどその後G⇒Cに戻ってくる展開も同じだった。
コード進行に限定すると巷でパクリと言われているとうりだったって事なのか?
ただですね。コード進行をパクっても少なくとも日本の場合はメロディーの大部分をパクってないと盗作認定はされない。だから『乾杯』は『セイリング』からコード進行をインスパイアして作曲された。まあそんな所か、等と考えていたらメロディーにも元ネタっぽい曲を発見した。
【メロディー】フランチェスコ・デ・グレゴーリ/ジェネラル
イタリアのシンガーソングライター、デ・グレゴーリ(Francesco De Gregori)の代表曲、『ジェネラル(Generale)』という曲だ。
日本でこの曲を知っている人はかなり限られると思うが、イタリア国内では2位にチャート・インしており、フランチェスコ・デ・グレゴーリの中では最もヒットした楽曲らしい。
リリース時期は『乾杯』の2年前となる1978年と時期的にはピッタリだ。
1番の歌い出しから何となく『乾杯』っぽいが、2番Aメロの冒頭がいきなり♪乾杯~じゃない?その後のメロディーも歌い回しも含めて『乾杯』っぽい。
決定的に似ているのは出だしの『乾杯』のサビに当たるメロディーだけなので何となく似ている程度で当然イタリア語で歌われているから雰囲気は違うが、全体的にメロディー似ている印象はある。
まとめ
意図的になのか無意識なのかは分からないが、『乾杯』は『セイリング』のコード進行と『ジェネラル(Generale)』のメロディーにインスパイアされて出来た曲という可能性は結構高いのではないか。
とは言え、盗作とまでは言えない部分的なパクリのインスパイアの部類。
ただ長渕特有の節回しだと思ってたのに原型があったと考えると結構面白かった。
以前も書いたが異なる2曲の良い部分をミックスして作曲するのはかなり音楽的センスがないと出来ない事。
個人的に長渕剛は『とんぼ』以前までは結構好きだったが、役柄とシンクロするようにキャラ変してからは興味を失ってしまった。
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