T・レックスの全盛期のマーク・ボランの不思議な魅力とトニー・ビスコンティの奇妙なアレンジが冴えまくる代表作となるアルバム。
ジャケット写真は、ビートルズのリンゴ・スターが撮影。
- メタル・グルー
- ミスティック・レディ
- ロック・オン
- ザ・スライダー
- ベイビー・ブーメラン
- スペースボール・リコチェット
- ビューイック・マッケイン
- テレグラム・サム
- ラビット・ファイター
- ベイビー・ストレンジ
- ボールルームス・オブ・マーズ
- チャリオット・チューグル
- メイン・マン
訳の分からない魅力にあふれたT.レックスの代表作
T・レックスが1972年にリリースした『ザ・スライダー(THE SLIDER)』を初めて聴いたのは、高校生の頃だったが最初は正直言って全然ピンと来なかった。
演奏に派手さは感じないし、アップテンポのナンバーもなくミディアムテンポの曲が中心だったのが10代の若者には面白くなかったのかも知れない。
でも色々なミュージシャンが良いとか影響されたって言ってるから、その内に良さが分かるかなと思ってカセットテープに録音したけどロクに聴かなかった。
時間が経過して大人になってから改めて『ザ・スライダー』のCDを買い直してみた。
でもやっぱりあんまり聴かなくて代表曲を網羅したベストアルバムのほうをばっかりよく聴いていた。
あんまり聴かないんだけど、たまに無性に聴きたくなる時がある、そんなアルバムだった。
初めて『ザ・スライダー』を聴いた頃からだいぶ月日が経過したけど、最近ようやくこのアルバムの魅力が分かってきたような気がする。
これまで色々なロックのアルバムを聴いてきたけど、こんなにシンプルで個性的なサウンドのバンドはそうそういない。
マーク・ボランのワンフレーズ聴いたらそれと分かる個性的で魅力にあふれた声と歌い方。
同じくマーク・ボランによるシンプルで切れの良いギターリフ。
トニー・ビスコンティによるストリングスと1度聴いたら忘れられない気持ちの悪いコーラスのアレンジ。
『メタル・グルー』や『テレグラム・サム』のイントロを聴いた時のあのワクワクする感じ。
理屈じゃない感性に訴えかける何かがこのアルバムにはある。
72年にリリースされ全英4週連続1位、日本でも5週間1位となった代表曲『メタル・グルー』なんてAメロだけで最後までいくのに退屈しない。
『テレグラム・サム』は2週連続全英1位、日本でもチャート・インした5曲目のシングル・ヒット曲。
シンプルで印象的なギターリフと気味の悪いコーラスにストリングスが交じり合うアレンジが1度聴いたら忘れられないほどのインパクトがある。
アルバム総評
この『ザ・スライダー』を聴いてつくづくグラムロックとは何だったんだと思う。
本当に化粧をして演奏をしている以外、T-レックスと他のグラムロッカーには音楽的には統一感はなく、商業的なブームを作るために一緒くたにされたのがアリアリと分かる。
グラムロックとはT-レックスが先頭にいて、その次にデヴィッド・ボウイとロキシー・ミュージック、後はその他大勢。今となってはそんな感じだ。
この頃のT-レックスには唯一無二の個性と魅力があったし、ほんの短い期間だったけどこの頃のマーク・ボランは誰よりも輝いていた。
晩年のボランはもう1度こんなアルバムを作りたかったんじゃないだろうか。
コメント
SECRET: 0
PASS: 16bbc67855f77ff088931e609dd8e003
nasumayo様
こんにちは。ブログのリンク申請です。
kaorinと申します。FC2で音楽ブログ(洋モノJ-POPモノなど)
を中心に更新しています。
お言葉の通り、自分のブログに
リンクしてみました。
Beth Nielsen Chapmanさんの特集がきっかけで
nasumayoさんのブログサイトに出合えました。
よろしかったらこれからもよろしくお願いします。
(相互リンクOKです。)(*^_^*)
ありがとうございました。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
こんにちは。
リンクありがとうございました。
べス・ニールセン・チャップマンは書いたときに意外と人気があるって知らなかったんです。
この人の音楽が分かる人が結構いるって事はまだ日本の音楽マーケットも捨てたものではないんだと思いました。