デヴィッド・ボウイの初期のグラムロック時代に当たる、1969年に発表した2ndアルバム『スペース・オディティ』から、1973年の7thアルバム『ピンナップス』までの5年間(ファイヴ・イヤーズ)のすべてのアルバムを最新リマスターして、未発表音源、レア音源を集めたCD2枚組を加えたアンソロジー紙ジャケット・ボックス。
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正直言ってこれは買おうかどうしようか少し迷った。
だって国内版だと2万4千円くらいと高価だし、全部聴いた事がある曲ばっかりのリマスターだし。
しかし各アルバムがどんなリマスターになってるのか気になるし、どうせ1枚ずつ買い集めてもたいして金額的には変わらないので購入を決定した。
輸入盤か国内盤か
この手のボックスセットでかならず迷うのが、輸入盤か国内盤のどっちを購入するのか。
輸入盤の方が5千円かそれ以上安いみたいなので、MP3音源に落としてそれを聴きたい人には、国内盤を購入する意味はないだろう。
国内盤はあくまでコレクターのためのものだ。
オマケとしてブックレットが1冊多く入っている。
そして嬉しいのは、発売当時のライナーや雑誌の記事が掲載されているところ。
この手の情報は、今となってはほとんど入手不可能な当時にしか書けない貴重な資料となっている。
鋤田正義の写真展でも見たことがない未発表?写真も何点かあった。
リマスターの音質
劇的な変化はないが、丁寧に音を拾いあげ各パートのサウンドの分離がハッキリしクリアになっている。
99年のリマスターのように不自然な低音の強調やデジタル感は無く、極力アナログで発表された当時のサウンドに近づけたい意向を感じる。
未発表曲2枚組の収録曲
どの曲も過去にいずれかの音源に収められ発表済みで目新しさはないが、オマケのデモ音源レベルからの音質の向上は大きい。
その中でも『ホリー・ホリー (オリジナル・モノ・シングル・ヴァージョン) (Mono)』と『スペイス・オディティ」 イタリア語ヴァージョン』はややレア度が高いか。
ちなみにオリジナル・シングル・ミックスとなっていても、この時期のボウイのシングル曲は、アルバムミックスとほとんど大差かなく、収録時間が違うくらいの差しか無いのがほとんど。
『ジギー・スターダスト』のデモバージョンや『スウィート・ヘッド』など収録されていない未発表曲も多く不満は残る。
disc1
1. スペイス・オディティ (オリジナルUKモノ・シングル・エディット) (Mono)
2. フリークラウドから来たワイルドな瞳の少年 (オリジナルUKモノ・シングル・ヴァージョン) (Mono)
3. ロンリー・ボーイ、ロンリー・ガール (「スペイス・オディティ」 イタリア語ヴァージョン)
4. プリティエスト・スター (オリジナル・モノ・シングル・ヴァージョン) (Mono)
5. カンヴァセーション・ピース (Mono)
6. フリー・フェスティバルの思い出 (Part 1)
7. フリー・フェスティバルの思い出 (Part 2)
8. オール・ザ・マッドメン (モノ・シングル・エディット) (Mono)
9. ジャニーヌ (Mono)
10. ホリー・ホリー (オリジナル・モノ・シングル・ヴァージョン) (Mono)
11. 月世界の白昼夢 (ジ・アーノルド・コーンズ・シングル・ヴァージョン) (Mono)
12. 君の意志のままに (ジ・アーノルド・コーンズ・シングル・ヴァージョン) (Mono)
disc2
1. チェンジズ (モノ・シングル・ヴァージョン) (Mono)
2. アンディ・ウォーホール (モノ・シングル・ヴァージョン) (Mono)
3. スターマン (オリジナル・シングル・ミックス)
4. ジョン、アイム・オンリー・ダンシング (オリジナル・シングル・ヴァージョン)
5. ジーン・ジニー (オリジナル・シングル・ミックス)
6. ドライヴ・インの土曜日 (ジャーマン・シングル・エディット)
7. ラウンド・アンド・ラウンド
8. ジョン、アイム・オンリー・ダンシング (サックス・ヴァージョン)
9. 時間 (U.S. シングル・エディット)
10. アムステルダム
11. ホリー・ホリー (スパイダース・ヴァージョン)
12. ヴェルヴェット・ゴールドマイン
まとめ
本当の意味での未発表曲が無い、曲数が少ない等の不満はあるが、リマスターは丁寧でこれを聴いたら今までの音源は聴きたくなくなったのは確か。
お得感はないが、損をしたという気にもならなかったのでファンには悪くはないと思う。
ファイブ・イヤーズ収録曲の動画を視聴
Five Years
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