デヴィッド・ボウイ/ヤング・アメリカンズ(David Bowie/Young Americans)

2020年3月14日

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前作ダイヤモンドドッグスから垣間見れたソウルミュージックへの憧れからデヴィッド・ボウイはフィラデルフィアでレコーディングを開始した。
アルバム、『ヤング・アメリカンズ』は1週間で書き上げた曲を当時の腕利きの黒人ミュージシャンを揃えてレコーディングされた。
何というフットワークの軽さ! 何という変わり身の早さ!

1. ヤング・アメリカンズ
2. 愛の勝利
3. ファスシネイション
4. ライト
5. 幸運の神
6. アクロス・ザ・ユニヴァース
7. 恋のささやき
8. フェイム

レコーディングのメンツには、芽が出る前のデイヴィッド・サンボーンやルーサー・ヴァンドロス等のソロで大成功するミュージシャンも含まれていた。

出来上がったアルバムは驚くべき仕上がりになった。

すでにそれはロックではなく、まさしくボウイ自ら評した『プラスティック・ソウル』と呼ぶにふさわしい白人による黒人音楽への憧れを模倣で表現したアルバムで3年前ジギースターダストだったグラムロックスターの男の面影はまるでなかった。

ルックスも曲調も歌唱方もまるで違う、別人と言っていいほどの変身ぶりにファンは度肝を抜かれたのだった。
シングルになったジェイムス・ブラウンの曲からお手軽にギターリフをパクった『フェイム』はジョン・レノンとの共作で話題性もありボウイ初の全米NO1ヒットとなった。

多くのギターリフの候補からボウイとレノンの話し合いの結果、カーロス・アロマーのリフが選ばれた。
これによってアロマーは、クレジットがボウイ、レノンと並んで3人の共作名義となる栄誉に授かった。

その他にレノンとはビートルズの名曲『アクロス・ザ・ユニヴァース』をレコーディングしている。
ジョン・レノンは酔っ払っていてレコーディング当時の事はほとんど覚えていなかったらしいが、ビートルズのカバーをジョン・レノン本人にさせたのはボウイだけだろう。(しかもメインはボウイでレノンはコーラス)

タイトル曲『ヤング・アメリカンズ』は、シンプルで力強い名曲でツアーの定番となったが、いかんせんそれ以外の曲が弱い。
黒人音楽の持つパワフルさやファンキーさはあまり表現しきれておらず、表明的に取り入れて短期間で仕上げた感は否めず、ボウイの長いキャリアの中でもかなりの脱線と言わざるを得ない。

それでも短期間でこれだけの音楽的要素を取り込んだ吸収力はさすがで、この経験は次作ステイション・トゥ・ステイションに存分に活かされるのだった。

75年当時を振り返って、黒人音楽の要素を部分的に取り入れるミュージシャンはいても黒人になりきってしまうこんなファンキー路線の白人ロックスターは皆無だった。

『ヤング・アメリカンズ』は、内容うんぬんよりもまずその事に意味がある。
ちなみにこのアルバムのおかげで白人初の『ソウル・トレイン』出演のオマケ付きとなった。

そしてレコーディングには参加していないが、この時期のツアーのギタリストとして若き日のナイル・ロジャースがオーディションを受けていたが結果は不合格だった。(ボウイとは会っていないらしいが)

その後、レッツ・ダンス ブラック・タイ・ホワイト・ノイズでボウイからプロデュースを依頼されて落選させられた恩返しをする事になるのだった。


Itunes試聴&ダウンロード
Young Americans – デヴィッド・ボウイ

⇒Nextステイション・トゥ・ステイション(1976年)
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ヤング・アメリカンズ収録曲の動画

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