デヴィッド・ボウイ/ヤング・アメリカンズ(David Bowie/Young Americans)

2021年8月23日

デヴィッド・ボウイ/ヤング・アメリカンズ

前作から垣間見れたソウルミュージックへの憧れから ソウル・ミュージックの聖地フィラデルフィアでレコーディングされたデヴィッド・ボウイ
アルバム、『ヤング・アメリカンズ』は1週間で書き上げた曲を当時の腕利きの黒人ミュージシャンを揃えてレコーディングされた。

そこにはもうすでにロック・スターとしてもボウイはいなかった。

  1. ヤング・アメリカンズ
  2. 愛の勝利
  3. ファスシネイション
  4. ライト
  5. 幸運の神
  6. アクロス・ザ・ユニヴァース
  7. 恋のささやき
  8. フェイム

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ロックからソウルに転倒

レコーディングのメンツには、芽が出る前のデイヴィッド・サンボーンやルーサー・ヴァンドロス等ののちにソロで大成功するミュージシャンも含まれていた。

出来上がったアルバムは驚くべき仕上がりになった。

すでにそれはロック・ミュージックではなく、まさしくボウイ自ら評した『プラスティック・ソウル』と呼ぶにふさわしい白人による黒人音楽への憧れを模倣で表現したアルバムだった。

3年前に『ジギー・スターダスト』だったグラムロックスターの男の面影はまるでなかった。

何というフットワークの軽さ! 何という変わり身の早さ!

ルックスも曲調も歌唱方もまるで違う、別人と言っていいほどのボウイの変身ぶりにファンは度肝を抜かれたのだった。

レコーディングでは多くの黒人ミュージシャンを起用したが、従来のフィーリングを重視するスタイルではなくフレーズ毎に細かく指示を出すボウイ流に彼らはかなり戸惑ったようだ。

シングルになったジェイムス・ブラウンの曲からお手軽にギターリフをパクった『フェイム』はジョン・レノンとの共作で話題性もありボウイ初の全米NO1ヒットとなった。

作曲の際、多くのギターリフの候補からボウイとレノンの話し合いの結果、カーロス・アロマーのリフが選ばれた。
これによってアロマーは、曲のクレジットがボウイ、レノンと並んで3人の共作名義となる栄誉に授かった。

その他にレノンとはビートルズの名曲『アクロス・ザ・ユニヴァース』をレコーディングしている。

ジョン・レノンは酔っ払っていてレコーディング当時の事はほとんど覚えていなかったらしいが、ビートルズのカバーをジョン・レノン本人にさせたのはボウイだけだろう。(しかもメインはボウイでレノンはコーラス)

タイトル曲『ヤング・アメリカンズ』は、シンプルで力強い名曲でツアーの定番となったが、いかんせんそれ以外の曲が弱い。

黒人音楽の持つパワフルさやファンキーさはあまり表現しきれておらず、表明的に取り入れて短期間で仕上げた感は否めず、ボウイの長いキャリアの中でもかなりの脱線と言わざるを得ない。

それでも短期間でこれだけの音楽的要素を取り込んだ吸収力はさすがで、この経験は次作ステイション・トゥ・ステイションに存分に活かされるのだった。

75年当時を振り返って、黒人音楽の要素を部分的に取り入れるミュージシャンはいても黒人になりきってしまうこんなファンキー路線の白人ロックスターは皆無だった。

『ヤング・アメリカンズ』は、内容うんぬんよりもまずその事に意味がある。
ちなみにこのアルバムのおかげで白人初の『ソウル・トレイン』出演のオマケ付きとなった。

そしてレコーディングには参加していないが、この時期のツアーのギタリストとして若き日のナイル・ロジャースがオーディションを受けていたが結果は不合格だった。(ボウイとは会っていないらしいが)

その後、レッツ・ダンス ブラック・タイ・ホワイト・ノイズでボウイからプロデュースを依頼されて落選させられた恩返しをする事になるのだった。

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Posted by nasumayo