デヴィッド・ボウイ/ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー【CD&DVD】(David Bowie/ZIGGY STARDUST THE MOTION PICTURE)

David Bowie

ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャーは、1973年7月3日にロンドンのハマースミス・オデオンでのデヴィッド・ボウイのジギー・スターダストツアー最終日のライブをD・A・ペネベイカー監督が撮影したドキュメント映画。

同じタイトルでCDで音源版とDVDで映像版がそれぞれ発売されている。

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ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャーCD

デヴィッド・ボウイのジギー・スターダストツアー最終日のライブをD・A・ペネベイカー監督がドキュメント映画として記録した映像のサントラ音源。

それを元に30周年記念ヴァージョンとしてトニー・ヴィスコンティがコーラスなどを付け足したリマスター盤。
2003年と時代が悪かったのか何を間違ったかCCCDで発売されてしまった。

1. イントロ
2. 君の意志のままに
3. ジギー・スターダスト
4. あの男を注意しろ
5. フリークラウドから来たワイルドな瞳の少年
6. すべての若き野郎ども
7. ユー・プリティ・シングス
8. 月世界の白昼夢
9. チェンジス
10. スペイス・オディティ
11. マイ・デス

1. イントロ
2. 気のふれた男優
3. 時間
4. 円軌道の幅
5. 夜をぶっとばせ
6. サフラゲット・シティ
7. ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート
8. フェアウェル・スピーチ
9. ロックン・ロールの自殺者

そもそもこの『ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー』はレッツ・ダンス発表後の83年に発売されるまで10年間ずっとお蔵入りだった。
まあ色々と大人の事情があるんでしょうな。

以前発売されていた音源とは違い

  • リマスターされているので音質が大幅にUP
  • 2枚組になったので今までカットされていた演奏前のイントロやMCが収録されている。
  • コーラスパートを大幅に足している(ちょっとやり過ぎな面もあり)
  • 当時のライブチケットやポスターの復刻版が付属している。

以上の理由から中古で購入する場合でもリマスター以前の音源はコレクター以外に購入する価値はなしだと言える。
ただしボウイのヴォーカルに関しては差し替えはしていない。

ライブ盤では音を足しても差し替えはせずにありのままの音を提供するのが、ボウイのプロとしての流儀らしい。
よって演奏はかなり荒々しく明らかなミストーンやノイズもそのままでライブの生々しさが残っている。

同じジギー・スターダストツアーでも72年のサンタモニカライブと比べてもかなりパワフルでテンポアップもしている。

72年の前半はフォーク色が強いのに対して73年のツアー終盤はハードロック色が濃くなっている。
後半なんかは明らかにドラムが走り気味でも勢いで押し切る辺りまるでパンクの原型を見ているようだ。

ジギー・スターダスト引退コメント

このジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャーには最後の曲、『ロックン・ロールの自殺者』の前に有名なツアー引退コメントが収録されている。
この時の観客の歓声から悲鳴に変わる反応もリアル。

もちろんこの引退コメントはデヴィッド・ボウイとしてではなくジギー・スターダストとしてだったが、バックバンドのスパイダーズはミック・ロンソン以外は事情を聞かされておらず、ライブ終了後は大揉めだったとか。

ジェフ・ベック参加のジーン・ジニー

アンコールの『ジーン・ジニー』ではギタリスト、ミック・ロンソンにとって憧れの存在だったジェフ・ベックが参加していたが、ベック側の意向によりお蔵入りになった。

ヴィスコンティによると当初、ベックは演奏が気に入らないから撮りなおして欲しいとボウイに連絡をした。
撮りなおした音源に納得して一度はOKをしたベックだったが、やっぱりNGだと言って来たという。

どうやらギンギラギンの衣装のメンバーに比べて自分は浮いていると感じていたらしい。

そんな訳でこの共演は幻の音源になった・・
はずだったが現在ではYouTubeで誰でも映像を見る事が出来るのだった。

この曲は途中でビートルズの『ラブ・ミー・ドゥ』のフレーズを挟みながらロンソンとベックのギターバトルが聴けるかなり貴重な音源となっている。
なんとかオフィシャル盤でも正式に収録してもらいたいところだ。

David Bowie - The Jean Genie & Round & Round [w/ Jeff Beck 3 July 1973] NEW AUDIO

ジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャー(DVD)

デヴィッド・ボウイがジギースターダストとして行なったハマースミス・オデオンでの最後のライブのドキュメンタリー映画。
特典として副音声でのD・A・ペネベイカー監督とトニーヴィスコンティの対談コメントが収録されている。

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1. オープニング・クレジット/イントロ
2. 君の意志のままに
3. ジギー・スターダスト
4. あの男を注意しろ
5. フリークラウドから来たワイルドな瞳の少年
6. すべての若き野郎ども
7. ユー・プリティ・シングス
8. 月世界の白昼夢
9. チェンジズ
10. スペイス・オディティ
11. マイ・デス
12. 気のふれた男優
13. 時間
14. 円軌道の幅
15. バンド紹介
16. 夜をぶっとばせ
17. サフラゲット・シティ
18. ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート
19. フェアウェル・スピーチ
20. ロックン・ロールの自殺者
21. エンド・クレジット

この映像、VHS時代の頃は日本では入手困難で西新宿まで行って5千円以上かけて購入した記憶がある。
しかも音声はやたらとこもっていて音楽としてはマトモに聴けた代物ではなかったし輸入版なので日本語字幕も当然なかった。
それでも当時は、動くジギー・スターダストが見れて嬉しかったし感動した。

それが、現在では2000円も出せば遥かに映像も音声も良く(5.1ch)、日本語字幕の付いた映像を簡単に入手する事が出来るなんて、つくづく良い時代になったもんだ。

一度、2003年にリマスターした頃に発売されたらしいが、完全に買いそびれていて気付いたら2014年に再発売されていた。
そして今回もジェフ・ベックとの共演映像は収録されたなった。

その真相は副音声のトニー・ヴィスコンティの証言で明らかになる。
しかしそんなに根に持っているのかベックよ・・・

ジギー・スターダストツアーでのBLの元祖とも言われるミック・ロンソンとのステージのからみは、2人で綿密に打ち合わせした訳ではなく、どこかのステージで即興的に始まり、反応が良かったアクションは自然に次のステージで繰り返すようになったとロンソンは語っている(ミュージック・ライフ1973年6月)

内容について

一応、映画となっているが、内容は完全なドキュメンタリーのライブ映像だ。
通常のライブ映像では楽屋裏は撮影しないが、このジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャーでは、楽屋の着替えからスタッフとの会話も収録されている。

ほんとちょっとだけリンゴ・スターが映っていたりもする。
副音声に切り替えると当時の貴重な思い出話が聞けるので本編と合わせて1枚で2度おいしい。

映像について

収録時期が古いせいもあるが、あまりにも照明が暗い。
そしてカメラワークはブレたり引きすぎたり、カメラ割りもかなりひどく、とてもプロが撮影した映像と思えないほどだ。
(撮影カメラは4台のみ)

だが、余計な演出を入れなかった事でドキュメンタリー映像としての説得力と当時のボウイのカリスマ性が浮き彫りになっている。
特に観客の女の子達の恍惚とした表情や一種宗教的なノリは一部マスコミにヒトラーの再来と批判されたのも分かる気がする。

音声について

5.1chサラウンドで音声は、VHS時代とは比較にならないほど良くなった。
ボウイの他のライブDVDと比べても多分、このジギー・スターダスト・ザ・モーション・ピクチャーが一番音質が良いと思う。

他のライブ版もトニー・ヴィスコンティがリマスターしてくれないかなと願うほどだった。

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