デヴィッド・ボウイ/ロジャー(David Bowie/Lodger)

2020年1月8日

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ロジャーデヴィッド・ボウイのベルリン三部作の最終作として位置するアルバム。

とは言え実際のレコーディングはベルリンのハンザ・スタジオを離れ、スイスのマウンテン・スタジオで行なわれ、インストなしのポップ路線で張り詰めた緊張感も感じられない為にロウ、ヒーローズとはかなり趣の異なった作品となっている。

これは、すでにベルリンにもイーノとの共作にもボウイ自身が「飽きて」きてしまってきた事を物語っているのではないだろうか。

1. 素晴しき航海
2. アフリカン・ナイト・フライト
3. ムーヴ・オン
4. ヤサシン(長寿)
5. レッド・セイル
6. D.J.
7. 怒りをこめてふり返れ
8. ボーイズ・キープ・スウィンギング
9. レピティション
10. レッド・マネー

ロジャーでは、ヒーローズまでのギリギリまでに言葉を切り詰めた緊張感のある小難しいインストナンバーは姿を消して「詞」が復活したのが一番変化した点と言える。

イーノの発表したアンビエント作品よりも同時期にプロデュースしていたトーキングヘッズの音楽性に近い。
全体的にエスニック、民族音楽の影響が見られるが、それが明確なコンセプトと言うわけでもなく、あわただしく落ち着きのない印象をロジャーから受けてしまう。

しかし「あわただしく落ち着きのない」というのはボウイ自身の特徴だから好意的に見れば実にボウイらしい作品とも言える。

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シングル曲

ロジャーの中心となるのはシングルカットされた『DJ』『怒りをこめて振り返れ』『ボーイ・キープ・スウィンギング』の3曲。

D.J.

D.Jとは、ディスクジョッキー(Disc Jockey)の意味以外にもボウイの本名であるデヴィッド・ジョーンズ(David Jones)のイニシャルでもある。

街に出てファンに抱きつかれたり、キスされても無表情で通り過ぎる姿はボウイ自身の当時の心情の表れなのだろうか。

ボーイ・キープ・スウィンギング

この時代(70年代後半)としてはめずらしく全てのシングルでPVを撮っているのはさすがに先見の明があるが、何といっても強力なのは「ボーイ・キープ・スウィンギング」ではないだろうか。

演奏はレコーディング中のボウイの思いつきでバンドメンバーの楽器パートをカルロス・アロマーにドラムを、デニス・デイヴィスにベースを弾かせたりと「取替えっこ」して行なわれた為にどこか直線的でアマチュアっぽいビートになり不思議な推進力が生まれている。
ボウイいわく、バンドメンバーは「始めて楽器を手にした少年達みたいだった」との事。

ロバート・フリップの替わりに参加したエイドリアン・ブリューの後半のギターソロが盛り上げる曲そのものも3曲の中で一番ヒットしたが(英7位)このPVの3人の女性コーラス隊はすべてボウイ自身が女装して演じている。

知らずに観たレコード会社のスタッフは最初ボウイだと気づかなかったらしい。
個人的にコーラス真ん中のボウイは結構かわいいかも・・・と思ってしまった。

このボーイ・キープ・スウィンギングのPVによって相変わらずボウイは何か「やらかす」存在だと印象づけるのに成功した。

怒りをこめてふり返れ

シングル3曲の中で最も平凡な出来でヒットもしなかったが、以降のツアーのオープニング・ナンバーで演奏された。

Look Back in Anger

他にも「すべての若き野郎ども」をテープを逆再生してできた手抜き曲「ムーブ・オン」、ボウイ初?のレゲエ曲「ヤサイン」等、その後のライブでもほとんどやらないめずらしい曲が収録されている。


iTunes試聴&ダウンロード
Lodger (2017 Remastered Version) – デヴィッド・ボウイ

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