デヴィッド・ボウイ/ステージ(David Bowie/Stage)

キャリアの割りにライブ盤が少ないデヴィッド・ボウイの通産3枚目の77年にリリースされた2枚組ライブアルバム『ステージ』。
CD盤は、再発によってリマスターされ曲順が本来の演奏順に戻された。
トニー・ヴィスコンティによる当時の情感たっぷりのライーナーノーツがうれしい。
これまで発表されていたバージョンとの違い
リマスター版が発売された際、帯に『未発表写真多数』って書いてあったけど、たいして写真がなくてがっかり。
ちなみに最初にリマスターされた2007年時点では忌まわしいCCCDで発売されていたが、現在では普通のCD仕様になっている。
さて、このアルバム『ステージ』のどこに価値があるかと言うと大きく言うと3つ。
- 今まで発売されていたLP及びCDは年代順に曲順がぶち切られたが、初めて本来の演奏順になった。(以前はDisc1がジギー時代からの年代順、Disc2がロウ、ヒーローズ中心だった)
- リマスターにより音質が大幅に向上した。
- 未発表曲の『ビー・マイ・ワイフ』と 『ステイ』が収録させている。
では早速聴いてみよう。
尚、バンドメンバーは、ベルリン時代の製作メンバー、ブライアン・イーノとロバート・フリップはツアーが大嫌いなので参加してもらえずフリップの弟子のエイドリアン・ブリューがバンドメンバーとして加入している。
うむ『ワルシャワの幻想』から始まるのですごく自然に聴ける。
あれ?なんか妙に最近のCDにしちゃ音のボリュームが小さくない?
うーん音質はそんなに良くなったかなと一瞬疑ってしまったけど次の『ヒーローズ』を聴いて見るとドラムのスネアの音の輪郭が以前のCDよりもハッキリ聴こえる!
ボウイのヴォーカルも臨場感があり今までとは違って聴こえるではないか。
70年代のライブアルバムでここまで音が良くなるって結構スゴイかも。
『スピード・オブ・ライフ 』では今までのCDではシンセの音に埋もれ気味だったエイドリアン・ブリューのギターが生き生きと蘇る。
ディスク1はロウ・ヒーローズのナンバー+ディスコ系の曲が中心に演奏されている。
ディスク:2 は 『5年間』からお約束のジギーナンバー。
ジギー時代とは歌い方もアレンジもだいぶ違うがボウイツアー史上最強と言われるバンドのメンバーにサポートされライブ演奏自体の完成度は非常に高い。
エイドリアン・ブリューは、結構好きなギタリストだけど『ジギー・スターダスト』のギターリフが高いポジションでのあまーい音になっているのはミック・ロンソンの粗野で野太い音に慣れてしまった耳にはちょっと違和感がある。
しかし『ステイション・トゥ・ステイション』のイントロの汽笛に見立てたフィードバック奏法など随所でブリューの素晴らしいプレイが聴ける。
このツアーの映像を観た人からわかるだろうけどブリューは通常ではちょっとありえない変わったギターの弾き方をして視覚でも聴覚でも楽しませてくれる。
未発表曲の2曲のうち『ビー・マイ・ワイフ』は取り立てて良いとは思えなかったが、秀逸は『ステイ』!
オリジナルのバージョンよりもはるかにパワフルでスピード感がありアレンジも練られている。
『ステイ』のライブバージョンはブートも含めてほとんどが良いのだけど、オフィシャル音源ではこの『ステージ』のバージョンが一番素晴らしい。
アルバム総評
バンドメンバー全員の高い技術と感性に裏打ちされた見事な演奏で特に『ステイ』と次の曲の『TVC15(ワン・ファイヴ)』を聴くと70年台半ばのボウイはこんな音楽がやりたかったのだろうなという完成形に思える。
もともとライブアルバム自体、熱心なファン以外は聴かないと思うのでやっぱりライブの臨場感のある『ステージ』はファンなら買いかなと。
アルバムデータ
- オリジナルリリース 1977年
- チャート 英5位 米44位
- プロデュース トニー・ヴィスコンティ
デヴィッド・ボウイ/1978年ステージ動画
Station To Station
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ディスカッション
コメント一覧
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nasumayoさん、ボウイ好きですねぇ~
ギターがエイドリアン・ブリューですか・・・変な音させてません?(笑)
でも、意外にボウイの楽曲に合うかもしれませんね。
ところでCCCDって、CDに特殊な加工をしているため、(通常のCDより)若干音質が落ちるとネットで見たことがあります。それでもリマスター効果で、前のCDより音が良くなっているということでしょうか。
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エイドリアン・ブリューはやっぱり変な音いっぱいですよw
ボウイとは意外と相性よくて90年のツアーでも同行してますね。
CCCDの音質はプロでも悪くなると変わらないと意見がわかれるそうです。
個人的にはわからないレベルだと思います。
ただ問題はプレイヤーによって再生出来ない場合があるって事ですね。