トム・ヴァーレイン率いるテレビジョンの2作目にしてラスト・アルバム。(のちに再結成)
デビューアルバムに比べてあまりにも話題にならない不遇のアルバムではあるが悪くはない。
- グローリー
- デイズ
- フォックスホール
- ケアフル
- キャリード・アウェイ
- ファイヤー
- エイント・ザット・ナッシン
- ドリームズ・ドリーム
テレビジョンのもうひとつのアルバム
テレビジョンと言えば『マーキー・ムーン』。
代表曲もアルバムもそればっかりでその他の曲やアルバムは、ほぼ出てこない。
他にアルバム発表してないのかな?と知らべてみたらこの『アドヴェンチャー』を2枚目のアルバムとしてリリースしていた。
『マーキー・ムーン』と同じくらい良かったら当然こっちのアルバムも話題になっている訳であんまり期待はしてなかった。
それが良かったのか、なんだ地味ながら結構良いアルバムじゃないかという印象だった。
『グローリー』のツインギターの掛け合いとねっとりとしたヴァーレインのヴォーカル、それに合わせたコーラスはこのバンドでしか出せない味がある。
デビューアルバムに収録された『マーキー・ムーン』に匹敵する曲は、残念ながら『アドヴェンチャー』には収録されていないが、『デイズ』は『マーキー・ムーン』が好きな人には気に入りそうな繊細かつ内向的な雰囲気の曲だ。
次の『フォックスホール』を聴いたら出だしがストーンズみたいな感じで普通のロックバンドぽかったからちょっとあれっ?て感じだったが、後半の引きつったようなギターソロがニール・ヤングっぽいのがこのバンドらしい。
なんでも当時はライブでストーンズの『サディス・ファミション』のカバー曲も演奏していたそうで、そういった音楽的なルーツも見え隠れしている。
『エイント・ザット・ナッシン』なんてsus4コードを使ったいかにもストーンズっぽい曲。
だけどこの曲もトム・ヴァーレインの妙にヌメヌメしたヴォーカルと後半に急展開するギターソロによってテレヴィジョン独特の個性が生まれている。
最後の『ドリームズ・ドリーム』のハーモニクスとアルペジオを多用したギター演奏は後続のバンドに与えた影響は大きそうだ。
この曲の演奏は、ギターの音を歪ませたらそのまんまオルタナティブ・ロックの原型なんじゃないかという印象を受けた。
アルバム総評
全体的に曲自体は悪くないんだけど、『マーキー・ムーン』のような強力な曲がないからいかんせん地味。
そしてファーストにあったピリピリとした緊張感はあまり感じられず、良く言えばリラックスした悪く言えばやや気の抜けた感のあるアルバムだった。
内容的には悪くはないが、本作『アドヴェンチャー』があまり話題にならない事に妙に納得してしまった。
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