テレビジョン/マーキー・ムーン(Television/Marquee Moon)

70年代 ロック US

トム・ヴァーレイン率いるザ・テレビジョンのデビューアルバム。
スカスカのバックに2本のギターが絡み合う独特のサウンドは、派手さはないが妙な魅力があり、多くのフォロワーが生まれた。

  1. シー・ノー・イーヴル
  2. ヴィーナス
  3. フリクション
  4. マーキー・ムーン
  5. 5. エレヴェイション
  6. ガイディング・ライト
  7. プルーヴ・イット
  8. 引き裂かれたカーテン
  9. リトル・ジョニー・ジュエル (パート1&2) (Bonus Tracks)
  10. シー・ノー・イーヴル (オルタネイト・ヴァージョン) (Bonus Tracks)
  11. フリクション (オルタネイト・ヴァージョン) (Bonus Tracks)
  12. マーキー・ムーン (オルタネイト・ヴァージョン) (Bonus Tracks)
  13. 無題 (インストゥルメンタル) (Bonus Tracks)
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黄色いレモンとはまったく関係がない米ロックバンドのデビュー作

テレビジョンは、もの凄く強烈な個性がある訳ではないのにどのバンドとも微妙に違う不思議なバンドだ。

バンド名は、リーダーのトム・ヴァーレインのイニシャル『T.V』から名付けられた。

バンドメンバー
  • Tom Verlaine: Lead vocals, guitar.
  • Richard Lloyd: Guitar, vocals.
  • Fred Smith: Bass, vocals.
  • Billy Ficca: Drums.

デビュー当時は、時代的にNYパンクに分類されているが今聴くと衝動的、破壊的な面は感じられず全然パンクって印象は受けない。
よくヴェルヴェット・アンダーグラウンドとかソニック・ユースとも比較されたりもするがニューヨーク出身って以外は音楽的な共通点はあまり感じられない。

フランスの詩人ポール・ヴァーレインから苗字をもらったトーマス・ミラーは、トム・ヴァーレインと改名しギタリストのリチャード・ロイドと共に1973年にバンドをニュージャージー州で結成。

アルバム『マーキー・ムーン』収録曲は『ガイディング・ライト(Guiding Light)』のみリチャード・ロイドとの共作だが、その他の収録曲すべてはトム・ヴァーレインによるもの。

トム・ヴァーレインの粘着質のヴォーカル、独特な絡み合いを見せる2本のギターが退廃的な雰囲気を作りテレビジョンならでは世界感を生み出す。

オープニングの『シー・ノー・イーヴル』からあまり歪んでいないツインギターでのアルペジオを交えた演奏スタイルで始まり当時のロンドン・パンクとの違いは明らかだ。

『フリクション』での淡々と刻むリズムギターにフリーキーなギターソロが絡む曲調はその後のニューウェーブ以降への影響も大きそうだ。

タイトル曲である『マーキー・ムーン(Marquee Moon)』は、10分を超える大曲でトム・ヴァーレインのキャリアを含めテレビジョンの代表曲となっている。

淡々と刻むクールなリズムにヒラヒラ舞うような2本のギターリフと青白い炎を燃え上がらせるようなギターソロが印象的な演奏は今聴いても古さを感じさせない。

これ以降はLPではB面に収録されていた楽曲になる。

『エレヴェイション』でのキメのギターリフはどことなくデヴィッド・ボウイっぽい印象がある。どっちが最初に影響されたのかは分からないが、そういやボウイはトム・ヴァーレインのソロになってからの『キングダム・カム』をアルバム『スケアリー・モンスターズ』でカバーしていたっけ。

アルバム総評

アルバム全体的に大きく盛り上がるパートはないが、サウンドに統一感がありギターのノイズ的な演奏もしっかり制御されて洗練されている。

その中でも『マーキー・ムーン』だけが突出して素晴らしいのは間違いない.
従来のロックサウンドとは違い、淡々と演奏されジワジワと後半にかけて徐々に盛り上がってくる展開。

それからこのトム・ヴァーレインの歌いかたって、日本のビジュアル系辺りに間接的に結構影響を与えているように思える。

誰とは言わんがこんな引きつったような歌い方するヴォーカルってその手のバンドに結構多かったような印象がある。

トム・ヴァーレインが2023年1月28日に73歳で亡くなった。
死因は不明。

彼の内容的かつ叙情的なセンスは唯一無二なものだった。冥福を祈りたい。

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コメント

  1. Television – Marquee Moon

     もうひとつのニューヨークパンクを代表するバンドの筆頭として一般的にはトム・ヴァーレインの率いるテレビジョンが挙げられるんだけど…

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    はじめまして。
    こんばんは。
    『マーキー・ムーン』は私的には最高に好きな作品のひとつです。
    金属的なツインギターに夜な夜な痺れてました。
    『アドベンチャー』も好きですが、やっぱりこの作品の持つ雰囲気は未だに特別です。

  3. nasumayo より:

    SECRET: 0
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    はじめまして。
    実はマーキー・ムーンって最初聴いたときピンと来なかったんですよ。
    でも聴いているうちにジワジワって感じで。
    本当に他のバンドにはない雰囲気がありますね。

  4. 匿名 より:

    SECRET: 0
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    30年以上も前,まだ若かったころが思い出されます。ちなみに,当時,家庭教師として教えていた生徒にこのアルバムを貸したところ,そのことを親に知られ,わたしは家庭教師を首になりました。

  5. nasumayo より:

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    あんまりいい思い出ではないかも知れませんが、アルバムごとに思い出があるって悪くないなって気がしています。
    最近だと1曲ごとの切り売りだしアルバムのコンセプトとかそんなの皆無ですしね。

  6. 匿名 より:

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    とにかくTelevisionは私を救ってくれた、生きるとという意味では。