デイジー・チェインソーの5曲入りデビューEP。
EP扱いとなっているがUK盤は5曲入りのデイジー・チェインソー実質的なデビューミニアルバム。
歌詞、解説付きの日本盤はなぜか3曲しか収録してなかったので輸入盤を購入したほうがお得だった。
1. Love Your Money
2. Pink Flower
3. Sick Of Sex
4. All The Kids Agree
5. Room Eleven
ポップで心地よいノイズ
『Lovesick Pleasure』とその後に発表されるデビューアルバム、『イレヴン・ティーン』を比較すると、シングル扱いというのもあってかなりポップで聴きやすい作りとなっている。
以前好きで聴いていたけどいつの間にか聴かなくなってしまい、ふだんはCDラックの中にしまいこんだままなんだけど、たまーに思い出して聴きたくなるアルバム.デイジー・チェインソーのデビュー作『Lovesick Pleasure』はそんな1枚だ。
アルバムと曲がかぶっている『Love Your Money』と『Pink Flower』はシングルミックス仕様。
演奏的には結構オーソドックスなハードロックバンドと言えなくもない。
ギターだけではなくベースにまでファズをかけて極限まで歪ませるザラザラしたサウンドメイクだが、音の感触はクリスピン・グレイのレスポールのサウンドのようにやわらかく聴き疲れしない。
ラストに収録されている11分以上に及ぶ長さの『Room Eleven』のクラブ系のリズムにファズギターという踊れるノイズの組み合わせは、同時期に活動していたスマッシング・パンプキンズとの共通点がある。
おそらく何の接点もないのに同時期に似たような事をしていたのは興味深い。
そのむかしイヤなことがあった時、ヘッドフォンでこのLovesick Pleasureをデカイ音で聴いてカタルシスを感じていた。
そして今も同じように聴いてもあの時と同じようにカタルシスを感じる。
考えて見ると音楽だけじゃなく十代の頃好きだったモノってたいていずっと好きなんだなと気づいた。
アルバム総評
ヴォーカルのケイティのエキセントリックなキャラクターのインパクトは強烈で今も鮮烈な印象が残っている。
このDaisy Chainsawの『Lovesick Pleasure』はやはり現在は廃盤で中古で見つけるのも一苦労しそうだけど、たまーに中古ショップの安売りのワゴンにあったりするので聴きたい人は根気よく探してみてください。
デイジー・チェーンシー解散後、ヴォーカルのケイティとギターのクリスピンが中心メンバーとなってクイーン・アドリーナとして活動を再開した。決して悪い出来でははなかったが残念ながらこの頃のような強烈なインパクトと才能の輝きは感じる事は出来ない。
同じ人が演ってるのに音楽って本当に不思議。
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