スマッシング・パンプキンズ/メロンコリーそして終りのない悲しみ(Smashing Pumpkins/Mellon Collie and the Infinite Sadness

2023年1月9日

スマッシング・パンプキンズ/メロンコリーそして終りのない悲しみ

スマパンの一般的に代表作であり最高傑作とされる2枚組のボリュームで発表された3rdアルバム『メロンコリーそして終りのない悲しみ』は、全世界で800万枚以上のセールスを記録。

当時のビリー・コーガンの感情がすべて詰め込まれたかのような激しく、やさしく、儚く、悲しく、美しい楽曲全28曲。

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目次

エネルギーに満ち溢れた2枚組

発表当時、ビリー・コーガンは、「今度のアルバムを聴いて混乱する人がいたら、それはいいことだと思うな、誰にも理解できるようじゃ、こっちが遅れていることになるからね」と語っていた。

スマパンは、このアルバムで勝負に出たのは明らかだった。

【DISC1】

  1. メロン・コリー・アンド・ジ・インフェニト・サッドネス
  2. トゥナイト,トゥナイト
  3. ジェリーベリー
  4. ゼロ
  5. ヒア・イズ・ノー・ホワイ
  6. バレット・ウィズ・バタフライ・ウィングス
  7. トゥ・フォーギヴ
  8. アン・オード・トゥ・ノー・ワン
  9. ラヴ
  10. キューピッド・ドゥ・ロック
  11. ガラポゴス
  12. マズル
  13. ポルセリーナ・オブ・ザ・ヴァスト・オーシャンズ
  14. テイク・ミー・ダウン

発表からすでに10年以上経過するのにいまだに美しいピアノ曲『メロン・コリー・アンド・ジ・インフェニト・サッドネス』から始まって『トゥナイト,トゥナイト』のイントロを聴くと胸が高鳴り鼓動が早くなる。

オープニングにふさわしいストリングスのアレンジが効いた華やかでスピード感のある曲で特にジミーのたたみかけるドラミングが素晴らしい。

次の『ジェリーベリー』もこれまでのスマパンのイメージどおりの楽曲でさらにスケールアップしたような感じ。

しかし、その次の曲の『ゼロ』でかなりの違和感を覚えてしまう。

これはどう聴いてもオーソドックスなハードロック、ヘビメタっぽい曲調でそれまでのスマパンの複雑で繊細な楽曲郡とはイメージが違ってくる。

それでも決してハードな曲ばかりでゴリ押ししないのがビリー・コーガンのスゴイところ。

『ジェリーベリー 』や『ゼロ 』などのハードナンバーが続くとミディアムテンポの『ヒア・イズ・ノー・ホワイ』や メロウな『トゥ・フォーギヴ』などの曲で余韻を残さずに浄化していく。

スマパンの曲の特徴である 「静と動」「テンポの緩急」がアルバム中の構成にも散りばめてあるのだ。

『アン・オード・トゥ・ノー・ワン』にしても『ラヴ』にしても全体的にビリー・コーガンの怒りが色濃く楽曲に反映されているように思える。

そんな気持ちを引きづって聴いていると『キューピッド・ドゥ・ロック』でいきなりクールダウンして本当につかみどころがない。

クライマックスは『ポルセリーナ・オブ・ザ・ヴァスト・オーシャン』
静かに始まり登りつめていくように盛り上げて最後に爆発させる実にスマパンらしいナンバー。

ビリーコーガンのテンションも演奏も確かに前の2枚のアルバムよりパワーアップしている。

1枚目の最後を飾るのはジェームス・イハが自身の曲を歌う『テイク・ミー・ダウン』

弱々しい声で頼りなげに歌うこの儚げな曲は実に良い味を出している。

やはりイハの存在はスマパンにとって大きかった!

【DISC2】

  1. ホェア・ボーイズ・フィアー・トゥ・トレッド
  2. ボディーズ
  3. サーティ・スリー
  4. イン・ジ・アームズ・オブ・スリープ
  5. 1979
  6. テールズ・オブ・ア・スコーチト・アース
  7. スルー・ジ・アイズ・オブ・ルビー
  8. スタンブレイン
  9. X.Y.U.
  10. ウィ・オンリー・カム・アウト・アット・ナイト ビューティフル
  11. リリー(マイ・ワン・アンド・オンリー)
  12. バイ・スターライト
  13. フェアウェル・アンド・グッドナイト

1枚目との明確な差は感じないが、ディスクのイラストからするとDISC1が昼でDISC2が夜のイメージのようだ。

ストレートな曲が多かったDISC1に対してDISC2はよりバラエティに富んでいて自由で解放されているイメージがある。

これは昼と夜が【緊張と緩和】の対比の意味なのかもしれない。
このアルバムの核となる曲はやはり『1979』なのだろう。

デジタルな打ち込みリズムはその後のスマパンを予感させるし、『トゥデイ』と同じようにこの先も残る曲だと思う。

『テールズ・オブ・ア・スコーチト・アース』と『X.Y.U.』のテンションと怒りのボルテージは異常なくらいに高い。

まるでビリー・コーガンがいままでのフラストレーションとこれからの分もすべて発散させているようなエネルギー。

それ以降はかなり実験的な要素もあり、イハ色も強い部分もありでややのんびりしてくる。

ここへ来てやっと夜が更けてきて昼間の緊張が緩和されてくるようだ。

ハードな曲の対極にある『バイ・スターライト』のゆったりと引きずるようなリズム、美しいメロディ、このふり幅の大きさこそがスマパン最大の魅力で聴く者の心を捉えるのだと思う。

『フェアウェル・アンド・グッドナイト』はメンバー全員が順番にヴォーカルをとる唯一の曲。

アコギとコーラス中心のシンプルな曲だけどこれがいいんだよな~
もうこの曲をライブで聴くことが出来ないのはやっぱり悲しい。

アルバム総評

メロンコリーそして終りのない悲しみはそのエネルギーの強さ、ボリュームの多さ、テンションの高さすべてにおいてスマパンの頂点とも言うべきアルバムでやり尽くした感があり、すでに発表した時点でオリジナルメンバーでのスマパンは終わっていたのかも知れない。

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