インド系ヴィーカリスト、ソニアを中心とするユニークな編成のイギリス出身5人組ロックバンド、エコーベリーのデビューアルバム。
ザ・スミスをオルタナティブにしたような音楽性とメッセージ性ですぐさま話題になり来日公演も成功させた代表作。
- Today Tomorrow Sometime Never
- Father Ruler King Computer
- Give Her a Gun
- I Can’t Imagine the World Without Me
- Bellyache
- Taste of You
- Insomniac
- Call Me Names
- Close…But
- Cold Feet Warm Heart
- Scream
すべてを出し切ったデビューアルバム
エコーベリーは、インドのデリーで生まれ2歳でイギリスに移住した元キックボクサーのヴォーカリストのソニア、スウェーデン人のギタリストのグレン、黒人レズビアンで男装のギタリスト、デビーなどユニークなメンバー構成でデビューからロッキン・オン誌上でも大きく取り上げられて日本でも話題になっていた。
CDジャーナルのデータベースでは、紅一点ソニアの溌剌とした~云々と書かれいる。本当にいい加減な雑誌だよな。少し調べたら分かるのに。
音楽性はメンバーが尊敬していたザ・スミスと比較されていたが、アコースティックが主体なサウンドのスミスに対してギターの開放弦を多用したプレイなどに影響は感じるものの、グランジ、オルタナディブを通過したエコーベリーとはそんなに音楽的に似てるかなーといまだに思う。
もっとも歌詞のメッセージ性などはモリッシーの影響モロって感じだけど。
実際にモリッシーに気に入られエコーベリーは、アメリカ・ツアーのサポート・アクトに誘われたが、モリッシーの都合でツアーがキャンセルされたのでこの話は流れてしまった。
収録曲の中で最初の注目曲は、やはりシングルになった『I Can’t Imagine The World Without Me』。
当時MTVでも結構流れていた曲でポップでパンキッシュな楽曲がバンドイメージを印象付けた。
もうひとつのシングル曲は『Insomniac』、こちらはかなりスミスの影響を感じさせる曲調をポップかつラウドに仕上げた名曲。
後半に進むにつれてやや憂いのある曲が増えてゆく中で『Cold Feet Warm Heart』 、『Scream』ではじっくり聴かせる演奏もできてメッセージ性があるバンドだという事も証明して見せた。
エコーベリーと言えば、とかくヴォーカルのソニアのキュートなキャラクターに話題が偏りがちだが、90年代半ばのブリットポップブームの中でこのデビュー当時のエコーベリーは,、演奏力、楽曲の出来も同世代のバンドよりも頭ひとつリードした感があり、オアシスやブラーよりも輝いていたような印象がある。
アルバム発表後に日本にもツアーに来たので、ライブにも行った時の盛り上がりはかなりのものだったし、演奏の再現性も相当のレベルの高さだった。
ただ、このファーストアルバムである『エブリワンズ・ガット・ワン』 の鮮烈なイメージとアルバムの出来があまりに素晴らしかったために元気なポップロック的なイメージを脱却できなかったのが残念。
amazonやブックオフの洋楽コーナーでよく安価で売られているけど安くても名盤アルバムはここにあるぞ!と言いたい。
- リリース 1994
- プロデュース
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