イギリスのバンド、マンサンの非常に気合の入った2ndアルバム。
ブリッド・ポップブームはとっくに落ち着いた時期の発表だったので注目度は低かったが、それまでのUKロックを総括ようなスケール感と奇想天外な曲展開がスリリングな90年代UKロックを代表するモンスターアルバム。
- Six
- ネガティヴ
- ショットガン
- インヴァース・ミダス
- アンティ・エヴリシング
- フォール・アウト
- セロトニン
- キャンサー
- ウィットネス・トゥ・ア・マーダー(Part2)
- テレヴィジョン
- スペシャル/ブロウン・イット(デリート・アズ・アプロプリエイト)
- レガシィ
- ビーイング・ア・ガール
- アイ・ケア
マンサンと言っても週刊マンガサンデーとは一切関係がないバンド
マンサンというバンド名は聞いた事があってもほとんど興味なかったので、この『Six』を聴くまで全くの食わず嫌いだった。
何気なくブックオフの中古の安売りで買ってみたこのアルバムは久々に衝撃を受けたサウンドだった。
音楽的なベースに極めて英国的なひねくれたポップセンスと湿り気のある感性を持ち、UKの偉大な先輩のロキシー・ミュージックや、ザ・スミス、U2等の影響が色濃く感じられる。
部分的にはソニック・ユースやジグ・ジグ・スパトニックの要素も入ってるように感じる。
しかし曲調がそれらのバンドとは違ってやたらと複雑怪奇で驚かされる。
この辺りはプログレ?いや極端に緩急を付けたリズム展開を考えるとスマッシング・パンプキンズあたりの影響なんじゃないだろうか。
1曲目のタイトル曲『Six』からその傾向は顕著で8分を超える大曲を初めて聴いた時は次々と何の脈絡もなく展開する曲調の変化について行けず、「えぇ?まだ1曲目なの?」と思ってしまった。
悪く言えばまとまりのない分裂気味の曲だが、強烈に惹き付けられる魅力を感じたのも確かだった。
ちなみにPVやテレビ出演時の動画は短縮バージョンなのでこの曲の魅力が完全には伝わりきれていない。
次の曲の『ネガティヴ』もこの流れは続いており、何か突拍子がない事が起きそうな雰囲気と焦燥感を感じさせる変拍子と地を這うようなベースラインは、他のブリッド・ボップバンドとは一味違う!と思わせてくれる。
『レガシィ』のアルペジオのギターフレーズはどことなくノスタルジックでストーン・ローゼスを思い起こさせる。
アルバム総評
プログレ的だが、それともちと違う独自の世界感がありメロディーセンスもいいし印象的なギターフレーズも多い。
その辺りはやはりスマパンと通じる部分もある。
捨て曲はひとつもない素晴らしいアルバムで今まで聴いたアルバムの中でも10本の指に入ると思う。
ただ惜しむべきは『SIX』を聴いた時にすでにマンサンはとっくの昔に解散してしまっていたと言う事だった。
- リリース 1998年
- プロデュース
コメント
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ひとことでいえばオルタナ ミーツ プログレッシブ?
昨今のミクスチャーとかはB系入ってくるからまた違うし絶妙にいいバランスの名盤ですよね。
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そんな感じですね。
絶対プログレ入ってる!
こんな訳のわからない良いアルバムはそうないっすよ。
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都市伝説でレディオベッドはSixを聞いてキッドAを作ったそうです。
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そんな都市伝説あるんですね(笑)
色んな人に影響を与えたアルバムだと思います。