バンド結成時のギタリストで中心メンバー、バーナード・バトラー在籍ラストアルバムとなるスウェードの2ndアルバム。
全体に張り詰めた緊張感とダークで退廃的なサウンドイメージ、美しくも儚く終わった90年代UKロックの名盤。
- イントロデューシング・ザ・バンド
- ウィ・アー・ザ・ピッグス
- ヒロイン
- ザ・ワイルド・ワンズ
- ダディーズ・スピーディング
- ザ・パワー
- ニュー・ジェネレーション
- ディス・ハリウッド・ライフ
- ザ・トゥー・オブ・アス
- ブラック・オア・ブルー
- アスファルト・ワールド
- スティル・ライフ
- モダン・ボーイズ
初期スウェード代表作
最初に発表されたシングルに比べてスウェードのデビューアルバムは、かなり期待はずれだったので『ドッグ・マン・スター』は、発表から何年もずっと聴いていなかった。
その後のバーナード・バトラーのソロ作も良かったし、何となく気になっていたアルバムではあった。
発売から10年以上経過して聴いてみた『ドッグ・マン・スター』は、エコー処理された繊細なサウンド作りと張りつめた緊張感が印象的なアルバムだった。
そして何よりもブレッド&バーナードの素晴らしいソングライティング、全体を支配する退廃的でスペイシーな雰囲気、すべてが気に入ってしまった。
1曲目の『イントロデューシング・ザ・バンド』、これってどう聴いてもお経をモチーフにしたとしか思えない。
こんな曲をいきなりもってくるのはかなりの冒険だったと思う。
4曲目の『ザ・ワイルド・ワンズ』はバーナード・バトラーのネバっこいギターが、これまたネバっこいブレッド・アンダーソンのヴォーカルに絡みつく初期スウェードの持ち味全快なトラック。
ベストトラックは『ニュー・ジェネレーション』。
この時期のスウェード以外では作りえない切なくも力強い名曲。
ディス・ハリウッド・ライフの退廃的なサックスの後の攻撃的なギターリフなどとても効果的なアレンジも光っている。
他にもシングル・カットできそうな曲が目白押しでやはり複数の大きな才能をもったバンドというのは単純に1+1ではなく掛け算なんだなと実感する。
アルバム総評
緻密なサウンドを聴く限り、バーナード・バトラーがどのタイミングで脱退したのかは詳しく知らないが、おそらくほぼ完成までいたのではないだろうか。
デヴィッド・ボウイの影響はモロに感じながらもスウェード独自の世界をついにドッグ・マン・スターで作りあがることに成功した。
それだけにバーナード・バトラー脱退はやはり惜しかった。
その後のスウェードのポップさとキャッチーさも嫌いじゃないけど、このメンバー間のせめぎ合いがある時期ならではの魅力がある。
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ドッグ・マン・スター収録曲の動画
Suede – Wild Ones
コメント
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あれ、1stダメですか。僕は1stがフェイバリットなんです。確かに音質悪くて、僕も最初はイマイチでしたけど・・・。
まあスウェードの最初の3枚はどれも傑作ですよね。
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いやダメじゃないです。
ただその前のシングルがあまりに出来が良すぎたので期待しすぎたんでしょうね。
ドッグ・マン・スターは、いい意味で期待を裏切ってくれたって感じです。