人を食ったようなルックスと歌詞、そして見事な演奏力を持ったザ・トイ・ドールズの1983年発表デビューアルバム。
ヨーロッパ各地でヒットして日本のラジオでも80年代後半によく流れていた『ネリ―さんだ象(Nellie The Elephant)』、『モヤモヤさまぁ~ず2』のオープニングテーマ曲、『ディグ・ザット・グルーブ・ベイビー(Dig That Groove Baby)』を収録。
- テーマ・チューン
- ディグ・ザット・グルーブ・ベイビー
- ドゥギー・ジャイロ
- スパイダー・イン・ザ・ドレッシング・ルーム
- グレンダ・アンド・ザ・テスト・チューブ・ベイビー
- アップ・ザ・ガーデン・パス
- ネリーさんだ象
- プア・デビー
- ステイ・メロウ
- クイーン・アレクサンドラ・ロード
- ワース・シングス・ハプン・アット・シー
- ブルー・スエード・シューズ
- フェアリー・ジャック
- テーマ・チューン
コミックバンドに見せかけた実力派
ザ・トイ・ドールズは、パンクロックブームが終焉した1979年に結成され、1983年にデビューアルバムである本作『ディグ・ザット・グルーヴ・ベイビー(The Toy Dolls/Dig that groove baby)』がリリースされた。
パンク全盛時の77年とかにデビューだったら単なるコミックバンドとして、つまはじきにされてたかも知れないが、79年以降にもなるとパンク?ちょっとダサイよねみたいな空気がある中で出てきたその時期が本当に絶妙だった。
彼らの音楽はパンク・ロックのパロティともとれるし子供向けのコミックバンドともとれるようなユニークなスタイルだが、ヴォーカル兼ギターのオルガのギターの演奏はかなりの腕前なのだ。
一度だけライブで観たけどパンク系ギタリストの中では間違いなくトップクラスの演奏力がある。
日本人にとっても最も馴染があるナンバーが実質的なアルバムのオープニング曲であり、モヤモヤさまぁ~ず2』のオープニングテーマ曲になった『ディグ・ザット・グルーブ・ベイビー(Dig That Groove Baby)』だろう。
セックス・ピストルズの『アナーキー・イン・ザ・UK』を彷彿されるようなイントロから始まり、ポップでキャッチーな曲調で最後まで疾走するザ・トイ・ドールズのライブの定番曲だ。
そしてギターソロにもしっかりとしたメロディーの起承転結があるのが日本人のツボと言えるだろう。
『グレンダ・アンド・ザ・テスト・チューブ・ベイビー(Glenda & the Test Tube Baby)』なんてメロコアと呼ばれるジャンルのルーツと言えるんじゃないかな。日本のバンドでこの手の曲が山ほどあるし。
『ネリ―さんだ象(Nellie The Elephant)』のギターの弾き語りから始まりウゥーってうなり声からサビに入る展開とか一体どこから思いついたんだろうってぐらい斬新だった。
これが全英4位のヒット曲となり一躍注目バンドとなった。
アルバム総評
どの収録曲もメロディーが非常にポップで起承転結が付いて分かりやすく、サビの後半でキーが上がったり、カノン進行を使ったりとベタな曲調が何かと日本人好みのバンドと言える。
従来のUKパンク・バンドの影響をあまり感じない日本式パンクバンドって歌詞に社会的メッセージ性を持たずにポップでノリが良い曲を演奏するスタイルが多いけど、このトイ・ドールズ あたりがルーツなんじゃないかな。
トイ・ドールズ のアルバムは『ディグ・ザット・グルーヴ・ベイビー』以外に何枚かリリースしているけど、どれも似たようなもんなので特別にファンじゃない限りこれだけ聴いてりゃ十分かな。まあそのマンネリさがいいんだけどね。
最初に全10曲でリリースされ、後にボーナス・トラックスを4曲加え、さらに12曲を追加して全26曲で再発売された。
このアルバムは30日間、無料利用できるAmazon Music Unlimitedに含まれています。
コメント
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nasumayoさんおひさひぶりです!
DVDで「ラストライブ」をみたんですがギターはメチャ上手いですね。夢中になってギターをひっ掻いてるとオルガはヨダレを垂らしてしまう(?)のを発見しました!
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お久しぶりです!
うん、うまいですよね。
インタビューで読んだような気がするのですがギターソロも譜面に書いて決まったフレーズを演奏するのだとか。
結構イメージと違って計算されたギタリストですね。