ファンからのリクエストを募った結果をもとに70年代楽曲のカバーアルバムの1と、80-90年代楽曲のカバーアルバム2の2枚構成。
リバイバルブームの若者層と当時を知る世代の両方を狙ってる?
あの歌 -1-
1.年下の男の子
2.キャンディ
3.君は薔薇より美しい
4.夢先案内人
5.木綿のハンカチーフ
6.グッド・バイ・マイ・ラブ
7.ガンダーラ
8.勝手にしやがれ
9.みずいろの雨
10.オリビアを聴きながら
11.さらば恋人
Amazon Music Unlimitedで昔の歌謡曲を聴いていたら、この上白石萌音の『あの歌』がおすすめで出てきたので聴いてみた。
上白石萌音って名前は珍しいから聞き覚えあるけど、この『あの歌』のアルバムジャケットを見るまで誰だかは顔も知らなかった。
てっきりAKBとかのアイドルグループのメンバーかと思ってたら若手女優だった。
『あの歌』ってどの歌?どうやら『あの頃の歌』って意味のようだ。
1は70年代歌謡曲のカバーで全ての曲を鳥山雄司がアレンジしている。収録曲は最初から最後まで知っている有名なナンバーばかり。
上白石萌音の歌唱力はカラオケのうまいお姉さんって感じ。
そう、本当にカラオケで最近覚えた昔の歌を聴かせてもらってるような感じがある。
『グッド・バイ・マイ・ラブ』の間奏のセリフの本格的な英語の発音を聴いて帰国子女なのかな?と思って調べたら、大学で英語を専攻しており、幼少期はメキシコに住んでいたそうな。
メキシコって英語圏だっけ?まあいいや。
最近のこの手のカバー曲は、ほとんどコンピューターだけのショボイアレンジが多くてがっかりする事が多かったけど、このアルバムは全体的にアレンジが原曲をリスペクトしつつ、今風のテイストも入って伴奏もギター中心でスッキリして聴きやすかった。
あの歌 -2-
- 世界中の誰よりきっと
- ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ
- AXIA〜かなしいことり〜
- Diamonds<ダイアモンド>
- 制服
- まちぶせ
- ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス
- いかれたBABY
- .青空
- PRIDE
あの歌 -2- になるとだいぶ趣が変わってくる。
80年代と90年代までの区切りとなってアレンジも複数のミュージシャンが担当しているのでよく言うとバラエティに富んでいる、悪く言うと散漫な印象を受ける。
収録曲のうち『ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス』と『いかれたBABY』は原曲を知らなかった。
上白石萌音の歌手活動に関してなんとなく原田知世のラインを狙っているのかな?と思っていたら、『ダンデライオン〜遅咲きのたんぽぽ』のカバーが収録されていてやっぱりそうか!と妙に納得。
一番古い曲の『まちぶせ』のオリジナルである三木聖子バージョンがリリースされたのは1976年、一番新しい今井美樹の『PRIDE』がリリースされたのが1997年、いくらなんでも20年間以上をひとくくりにしてしまうのはちょっと違和感があった。
とは言え、上白石萌音と同世代やそれよりも若い世代にとってはただの昔の『あの曲』に過ぎないから大した問題ではないのかも知れない。
まとめ
あの歌 -1- はトータルでコンセプトが決まっていたけど、 あの歌 -2- に関しては少しブレているような印象を受けた。
ソロ歌手からバンドの曲まであり、年代も昭和と平成が混じっているので単純に -2- は、80年代だけで構成したほうがすっきりして良かったのでは?
当たりまえだが上白石萌音の歌には当時の曲への思い入れも感じず、歌詞の意味をかみしめるタイプでもなくサラっと最後までいってしまう。
だけど、下手に原曲に思い入れがあり過ぎるとそっちに寄せてしまう事があるからそのあっさり感が落ち着いた声と相まって逆に良かった。
結局、このアルバムを気に入るのはそれが受け入れられるのかどうかにあるようだ。個人的には結構心地良かった。
どの曲も非常に丁寧に歌っているので歌わされているのではなく、本当に歌が好きなんだなってのが伝わってくる。
今後、同様の企画があったら上白石萌音本人に全面的に選曲させてみたらどうだろうか?おそらくそっちのほうが良いアルバムになりそうな気がする。
それと英語力を活かして洋楽のカバーアルバムも良さそうだ。
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