『すべての若き野郎ども』という熱くもあり恥ずかしくもある邦題をつけられたこのアルバムは、デヴィッド・ボウイが全面プロデュース。
それまでのモット・ザ・フープルとも、この後のモット・ザ・フープルとも趣が異なるアルバムだが現在まで彼らの代表作となっている。
- スウィート・ジェーン
- ママのかわいい宝物
- すべての若き野郎ども
- サッカー
- ジャーキン・クローカス
- 新しき若者たち
- ソフト・グラウンド
- レディ・フォア・ラヴ
- アフター・ライト
- 潜水夫
モット最大のヒット曲収録の代表作
他のモット・ザ・フープルのアルバムとサウンドの感触が異なるのはこの『すべての若き野郎ども』だけがデヴィッド・ボウイのプロデュースによるためでタイトル曲はボウイの作詞、作曲でかなりボウイ色が強い。
当時、レコードの売り上げが伸び悩んでいたモット・ザ・フープルにグラムロックブームに乗って飛ぶ鳥を落とす勢いのあったデヴィッド・ボウイは良かったら使ってくれと『サフラジェット・シティ』(この曲は後にジギー・スターダストに収録)のデモテープを送ったが、モットのメンバーは気に入らなかったらしく、その後に新たに提供された『すべての若き野郎ども』をシングルとして発表した。
このシングル『すべての若き野郎ども』は、それまでモット・ザ・フープルが低迷していたのが嘘のように売れて全英チャートの3位になる大ヒットとなりボウイは気前よくあげてしまったのをその後にかなり後悔したらしい。
アルバムのオープニングを飾るのは、ルー・リードのカバー曲である『スウィート・ジェーン(Sweet Jane)』。
モットのメンバーがルー・リードに影響受けてたとはちょっと思えないし、もう最初からボウイ色がかなり強い。
2曲目の『ママのかわいい宝物(Momma’s Little Jewel)』は、バンドの力量をいかんなく発揮したスリリングなギターリフとサックスのアレンジが光るロックン・ロールの名曲で本アルバムではもっともモット・ザ・フープル本来の魅力が詰まった楽曲と言える。
そういえばこの曲ってポンキッキだっけ?子供番組で聴いたような記憶がある。
5曲目のストーンズ風ギターリフとソフルフルなコーラスの『ジャーキン・クローカス(Jerkin’ Crocus)』や『新しき若者たち(One Of The Boys)』辺りが最もこのバンドらしさが出ている曲か。
ラストの『潜水夫(Sea Diver)』ではバラードで新しい魅力を打ち出した。
アルバム総評
良くも悪くも最大のヒット曲である『すべての若き野郎ども』の印象が強すぎるアルバムでデヴィッド・ボウイのプロデュースによって、すっきりと聴きやすいサウンドにはなっているが、その分、こじんまりしてしまって持ち味の迫力のある演奏は控えめに感じる。
ボウイが関わったからグラムロック扱いされているが、本アルバムを聴けばストーンズ直系のもっと泥臭いサウンドが持ち味のバンドだと分かるはず。
その後、ボウイの興味を失って手を離れたモット・ザ・フープルはしばらくはグラムロックブームにのっかたもののまたしても低迷してしまう。
リーダーのイアン・ハンターが、同じくボウイに捨てられた境遇のギタリスト、ミック・ロンソンをバンドに加入させたために他のメンバーと折り合いが付かず解散してしまったのはなんとも皮肉だった。
リリース 1972年
プロデュース デヴィッド・ボウイ
ジャンル: グラムロック
すべての若き野郎ども収録曲の動画
All the Young Dudes
Sweet Jane
Jerkin’ Crocus
コメント
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モットザフープルのCDは1枚も持ってませんが、
ホナルーチ・ブギとかは好きです。
もちろんこの曲も好きです。
どうでもいいコメントですいません。
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CD1枚も持ってないのに具体的な曲名が出てくるなんてシブいなぁ。