1991年にリリースされたピチカート・ファイヴの3代目ヴォーカリストとなる野宮真貴が加入して第1弾となる5thアルバム。
- 女性上位時代#4(ナレーション)
- 私のすべて
- お早う
- サンキュー
- 大人になりましょう
- 女性上位時代#5(ナレーション)
- ベイビィ・ラヴ・チャイルド
- トゥイギー・トゥイギー
- トゥイギー対ジェームス・ボンド
- 神様がくれたもの
- パーティー
- しりとりする恋人たち
- マーブル・インデックス
- きみになりたい
- むずかしい人
- TOKYO`S COOLEST SOUND
- クールの誕生
- 女性上位時代#6(ナレーション)
第3期ピチカートファイヴ代表作
ピチカートファイヴのアルバムの中で1枚選ぶとコレになるかな。
ジャケットデザインを含めて遊び心が満載のアルバム。
サウンドは洋楽っぽいんだけど、内容はまったく小西康陽独自のピチカートワールド全開。
以前のツアーでコーラスを担当していた野宮真貴をメイン・ヴォーカルに抜擢し、ここからピチカート・ファイヴの快進撃がいよいよスタートする。
それにしてもいきなりインタビュー音源からスタートするアルバムって当時かなりインパクトあった。
『お早う』も、お洒落なサウンドに乗せてこんな日常的な言葉をサビの歌詞にするのか!っていうのがちょっとした衝撃だった。
『ベイビィ・ラブ・チャイルド』のラウンジ系で始まっていきなりスクラッチ音やサンプリングが入るブレイクビーツな楽曲展開はベックよりもずっと早かった。
『トゥイギー・トゥイギー』の間奏ではなんと野宮真貴の自己紹介を入れ込んでいる。
こんな楽曲、かつてあっただろうか?
アルバム中で最も衝撃的なのが、ループ音をバックにただしりとりをしているだけの『しりとりをする恋人たち』だろう。こんなのアリなのか?と本当に驚かされた。
脱力タイムの後には、しっかりとアップテンポの『マーブル・インデックス』で盛り上げる構成も見事。
『きみになりたい』ではラー・バンドを連想させるスペイシーなシンセ・ノイズを取り入れたかと思えば『むずかしい人』では、90年代半ばにブームになるドラムン・ベースを完全に先取りしたような変則ビート、本当に自由自在のサウンドメイクが素晴らしい。
日本のミュージシャンって国内で成功するとやたらとアメリカに行きたがる傾向があるけど、そのほとんどがチャートにも人々の記憶にも残らないまま帰ってくるってのが現状だったりする。
ピチカート・ファイヴは国内より欧米に高く評価されている数少ない日本のバンドだった。
決して海外向けに製作された内容ではなくほぼ日本語だけの歌詞で歌われていて、サビだけ英語になったりもしないし、日本語のナレーションで始まり、日本語のナレーションで終わる。
海外でウケたのはそれが一番良かったのかも知れない。
海外で日本人ミュージシャンが成功するのにネイティブ以外は英語で歌う必要は全くなく、むしろ日本語だけほうが有利という事を証明してくれた作品とも言える。
欧米の評価が日本に反映される感じでやや遅れて日本でも人気が出た感がある。
アルバム総評
この『女性上位時代』は、ピチカート・ファイヴが最も充実した時期にリリースされたアルバムで小西康陽の作曲、アレンジセンス、時代性、トータルコンセプトなどが見事にハマった傑作になった。
バンドの歴史は長かったが、野宮真貴が加入してリリースした本作が発表されてから世界的な評価が高くなったのは間違いないだろう。
コメント
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こんにちは^^お邪魔いたします。
確かに野宮真貴さんが加入されてから
すごい勢いで渋谷系(死語)自体が盛り上がった
記憶があります^^女性上位時代もそうですけど
ピチカートのアルバムってどれも中毒性がありますよね~。
「オーヴァードーズ」から野宮さんの歌唱力も、
パワフルになって。小西さんとビジュアルデザイナーの
信藤三雄さんとの戦略もバッチリって感じでw
90年代の「東京」ってイメージをカッコ良くしたのは、
まちがいなくピチカートの功績があるような気がします。
個人的には「ロマンティーク96」が好きで好きで
現在でも愛聴しています^^
それにしても、このブログ、カッコイイです!!
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コメントありがとうございます。
オーヴァードーズもいいアルバムですね。
タイトルからして中毒性を意識した感じで。
ロマンティーク96はまだ聴いたことないんで機会があったら聴いてみたいと思います。