ザ・スミス/ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム(The Smiths/ Strangeways, Here We Come)

ザ・スミス/ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム

ザ・スミスが解散発表後の1987年にリリースされた4枚目で最後のスタジオアルバム。全英2位。

ジャケット写真は、映画『エデンの東』の俳優リチャード・ダヴァロス。

01.ザ・ランド・イズ・アワーズ
02.アイ・スターティッド・サムシング
03.デス・オブ・ア・ディスコ・ダンサー
04.ガールフレンド・イン・ア・コーマ
05.ストップ・ミー
06.サムバディ・ラヴド・ミー
07.アンハッピー・バースデイ
08.ペイント・ア・ヴァルガー・ピクチャー
09.デス・アット・ワンズ・エルボウ
10.アイ・ウォント・シェア・ユー

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ザ・スミスにとってのレット・イット・ビー

モリッシーとアメリカ人のマネージャーとの間に軋轢が生まれ、辞めさせたいモリッシーと反対するジョニー・マーの間にも亀裂が入り、さらにレーベル移籍でもバンドは揉めていた。

『クイーン・イズ・デッド』での成功をきっかけにメジャーレーベルと契約して野心的にワールド・ツアーに出たかったマーと反対するモリッシーとの意見の食い違いもあり、マーはザ・スミスへの情熱を失いかけていた。

そして『ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム』のレコーディング終了後にジョニー・マーは、ザ・スミスからの脱退を表明した。

当初、残されたメンバー達は、バンドを存続する方針だったようだが、音楽的なリーダーだったマーの代わりが簡単に見つかるはずもなくザ・スミスは解散となったのだった。

オープニングの『ザ・ランド・イズ・アワーズ』ではスミスの代名詞であるはずのジョニー・マーのギタープレイがまったく収録されていないのに驚かされる。

これまでのスミスの殻を打ち破りたかったのか、それともこれ以上スミスはやりたくないというジョニー・マーのメッセージなのだろうか。

『デス・オブ・ア・ディスコ・ダンサー』での後半の叩きつけるようなギタープレイもマーのいら立ちを表現した演奏なのかも知れない。

本当かどうか分からないが、マーがナイフで弾いたという逸話があるドラマティックなイントロギターが印象的な『ストップ・ミー』は、最もシングルカットして売れそうな曲だったが、歌詞に大量殺人というフレーズがあった為にレコード会社がシングル化に躊躇して出来なかったと言われている。

だとしてもイギリス国内ならヒット間違いなしのこの曲をシングルカットしなかったのはもったいなかった。

重苦しい断末魔のような不気味なイントロが曲の約半分を占める『サムバディ・ラヴド・ミー』は、それまでのザ・スミスにはなかった哀愁が漂うのはやはりラスト・アルバムだからなのだろうか。

アルバム総評

楽曲は粒揃いでこれまでにない意欲的なアレンジがありながら、どこか散漫で冷静な印象もある。

『ストレンジウェイズ、ヒア・ウイ・カム』は、全英チャート2位を記録したが、その時に1位だったのはマイケル・ジャクソンの『バッド(Bad)だった。

実にイギリスらしいチャート順位だし、陰と陽、表と裏みたいで面白い。

デビュー当時は、たくさんあるインディーズバンドの1つに過ぎなかったザ・スミスにとってはこれで十分な結果だったのかも知れないが、メジャーレーベルのEMIと契約した途端に解散とは皮肉な結末だった。

短期間で燃え尽きた事で伝説になったが、やっぱり世界的に成功したザ・スミスも見たかった気もする。

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The Smiths

Posted by nasumayo