『ドラムス・アンド・ワイアーズ(Drums and Wires)』はキーボードのバリー・アンドリュース脱退後に発表されたXTC3枚目のアルバム。
リーダーのアンディ・パートリッジが勝負に出たのかは定かではないが、本作から明らかにポップで聴きやすいサウンドになった初期の代表作。
- メイキング・プランズ・フォー・ナイフェル
- ヘリコプター
- デイ・イン・デイアウト
- ホエン・ユー・アー・ニア・ミー・アイ・ハヴ・ディフィカルティ
- テン・フィート・トール
- ローズ・ガードル・ザ・グロウブ
- リアル・バイ・リール
- ミリオンズ
- ザット・イズ・ザ・ウェイ
- アウトサイド・ワールド
- シザー・マン
- コンプリケイティッド・ゲーム
- ライフ・ビギンズ・アット・ザ・ホップ
- チェインズ・オブ・コマンド
- ライムライト
ポップとヒネクレの絶妙なバランス
『ドラムス・アンド・ワイアーズ(Drums and Wires)』以前のXTCはアンディ・パートリッジのギターとバリー・アンドリュースのキーボードのしのぎ合いによる前衛的なロックだったが、バリー・アンドリュースが脱退した事により、サウンドがスッキリして分かりやすくポップになってきた。
抜けてみてこれほどまでに存在感があるメンバーだったんだなと実感。
それでいて相変わらずアンディ・パートリッジ作の曲は尖ってヒネクレているのでこの次のアルバムの『ブラック・シー』までがバランス的には最も良く一般的にXTCの評価が高い時期だ。
そして、プロデューサーがスティーブ・リリーホワイトになったのが色んな意味で大きい。
ギターとキーボードががケンカしてたみたいな2作目までとは対照的に音の輪郭がしっかりして左右に広がりが出て各パートが独立して聴こえる。
『メイキング・プランズ・フォー・ナイフェル』でのエコーの効いたドラム音とポコポコした電子音は、明らかにデヴィッド・ボウイの『ロウ』を通過した後のサウンドでまさにニュー・ウェーブといった感じ。
『ヘリコプター(Helicopter)』での妙なギターポップ+ディスコという組み合わせを聴くと90年代に人気だったブラーの音楽性のルーツは、モロXTCだったと分かる。
アルバム総評
最初から最後まで駄曲がないXTCのキャリアを代表する1枚と言えるし、アレンジや音色もシャレていて聴いていて楽しくなるアルバム。
『ドラムス・アンド・ワイアーズ』は、XTCにとってもプロデューサーのスティーブ・リリーホワイトにとってもエポックメイキング的なアルバムだと言えそうだ。
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